2013 Fiscal Year Research-status Report
都市における高齢者主体の「農」の活動とアクティブ・エイジングに関する研究
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24653122
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
松宮 朝 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (10322778)
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Keywords | 都市農業 / 市民農園 / 都市 / 耕作放棄地 / 長久手市 / 日進市 / 農の活動 / 愛知県 |
Research Abstract |
2013年度は、市民農園の先進事例の調査を実施した。特に、愛知県内の市民農園では、長久手市、日進市の事例を中心に、都市農地活用のための実践的な課題の整理と、今後の方向性を確認した。特に長久手市では、2つの都市農地活用のプロジェクトにかかわる中で、関係者への聞き取り、アンケート調査を実施することができ、最終年度に向けてのデータの蓄積が可能となった。その成果は、長久手市での2つの研究プロジェクトの報告書にまとめられ、2014年度長久手市における田園バレー事業見直しのための資料として活用され、実施計画に盛り込まれることとなった。 また、この調査研究の一環として、愛知県外の先進地域での聞き取り調査を実施した。2013年10~11月に実施したもので、千葉県柏市、東京都中野区、世田谷区、神奈川県横浜市での先駆的な事例の現場にうかがい、関係者からレクチャーを受けた。こうした事例からは、高齢者の活用、障碍者の作業としての昨日、レクリエーション活動の展開の最先端を知ることができ、比較分析を通じて、東海地域の研究としても示唆に富む知見が得られている。 以上の研究をもとに、中間報告として、2013年10月に日本社会学会大会において、「都市における農の活動とネットワーク化―愛知県日進市の事例から―」をまとめ、発表した。ここでは、都市の遊休農地活用、福祉との連携、地域活動とのネットワーク化の実践的なモデルを提起し得たと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査計画で盛り込んでいた先進事例、先進団体へのアンケート調査については、郵送調査ではなく、直接現地に行くことで、研究目的を達成した。 また、愛知県内の調査については、長久手市、日進市の実践的取り組みへの参与観察が可能となり、研究目的を概ね達成することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究では、既存の都市農家とは異なる「市民農業」の形態として、長久手市、日進市の活動モデルは一般性、持続可能性がある。しかし、さらに追跡調査が必要な点もある。具体的には、長久手市、日進市という、大都市名古屋に隣接し、財政的にも恵まれた自治体を舞台とした活動であるため、周辺自治体の長久手市、豊田市等の比較とともに、関東、関西大都市圏の事例との比較が必要となる。これまでの調査研究の知見を他の事例の知見と比較しつつ、上記の問いに答えることを課題としたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画していた郵送調査ではなく、関東圏での現地調査を自ら実施したため、データ入力謝金が不要となったため。 本年度4月に、データ整理のための調査補助員を雇用する経費とする。
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