2013 Fiscal Year Research-status Report
日本の繊維産業興隆期における女性労働者の労働意識と教養についての研究
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24653133
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Research Institution | Otsuma Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
平井 郁子 大妻女子大学短期大学部, 家政科, 准教授 (30389895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 邦子 大妻女子大学短期大学部, 家政科, 助教 (40171954)
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Keywords | 繊維産業興隆期 / 女性労働者の就労意識 / 女子教育 / オーラルヒストリー |
Research Abstract |
1.調査項目と方法の検討:調査は、文献調査、聞き取り調査(オーラルヒストリー)とし、繊維産業興隆期に就労した女性労働者がほとんど生存していないので、文献からの調査を検討した。また、聞き取り調査は、国内と日本の産業興隆期と同じ状況である国外で実施することを検討した。 2.文献調査の実施;文献調査は昨年度訪問した、京都綾部の繊維会社を再度訪問し、繊維産業復興期に就労していた女子工員らの家庭環境、その後、女子工員らの教育のために付設した高女の経緯、会社の女子工員教育に対する考え、高女での勉学と就労女子工員らの考え方などについて、当時の記録を閲覧することで調査を実施した。 3.国内調査の実施;国内のアパレルメーカーに中国内陸部から研修に来ている縫製女子工員らの就労意識についての聞き取り調査を実施した。この調査を実施した目的は、中国陸部は、日本の繊維産業興隆期のように出稼ぎによる就労女性が多いことによる。さらに現在短大2年に在学している学生について、勉学とこれから就く就労への考え方についてアンケート調査を実施した。 4.国外調査の実施;国外の聞き取り調査は、日本の繊維産業興隆期と同じ労働状況と推定されるベトナムで実施した。労働問題の関係から女性労働者に直接聞き取り調査を実施することはできなかった。しかし、調査対象工場の経営者(女性)から女性労働者の就労状況を直接聞き取ることができたことで、当初の目的を概ね達成できたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、予定していた海外調査(ベトナム)を実施した。また、国内調査においても中国からの研修生に聞き取り調査を実施することができ、ベトナムでの海外調査を補強できる結果となった。平成26年度では、再度海外における調査を実施し、平成25年度の調査を補強する予定である。また、綾部での再調査により平成24年度実施した国内調査を補強することができた。これで、国内調査は、当初計画したことをおおむね実施できたと考える。以上より、全体として本研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24,25年度で実施した国内の文献調査および聞き取り結果をまとめ、詳細な分析を行い、日本の繊維産業発展時の女性労働者が果たしたはたらき、就労意識が時代にそってどのように変化してきたかを女子教育を加味して考察する。また、平成25年度実施したベトナムでの海外調査結果を踏まえて、発展段階にある国の女性労働者のはたらき、就労意識と教養について分析・考察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度ベトナムにおいて海外調査を実施したが、調査範囲を拡大して補充調査を実施する必要が生じたことと調査結果の分析と研究のまとめのために次年度使用額が必要となった。 今年度ベトナムにおいて海外調査を実施したが、次年度も同じく海外において調査範囲を拡大した(調査地域および調査個所)補充調査を実施することと、文献調査を含めた国内および海外調査の結果を分析し、研究全体をまとめる計画である。
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Research Products
(2 results)