2013 Fiscal Year Annual Research Report
「木育」を活用した多世代交流に基づくコミュニティ・エンパワメントプログラムの開発
Project/Area Number |
24653134
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安梅 勅江 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20201907)
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Keywords | コミュニティ・エンパワメント / 木育 |
Research Abstract |
本研究は、「木育」を活用した多世代交流に基づくコミュニティ・エンパワメント・プログラムの開発を目的とする。「木育」は、木のおもちゃや生活道具などを通じて自然や環境を大切にする心を育む生活教育の新たな展開として昨今注目されている。しかし、その効果をコミュニティ・エンパワメントとして科学的に検証する取り組みは国内外で皆無である。子どもと高齢者など、多世代が自然の中で伝承遊びや生活道具の創作など「木育」を通じて交流する機会を作り、コミュニティ・エンパワメント・プログラムとしてその効果の科学的な根拠を得る。少子高齢化時代のコミュニティの活性化とともに、日本国土の7割近くを占める森林や地球環境維持への関心を高め、生涯におよぶ生活教育の充実を意図するものである。本研究の成果は下記のとおりである。 1.「木育」を活用した多世代交流コミュニティ・エンパワメント・プログラムのモデル開発:国内外の「木育」プログラムの開発過程、内容、評価の系統的レビュー、フォーカス・グループ・インタビューにより得られた情報、プログラム実施によるプロセス評価、プログラム実施のアウトカム評価、を総合的に分析し、統計的妥当性及び臨床的重要性を加味しながら、プログラムのモデルを開発した。 2.「木育」を活用した多世代交流プログラムの効果に関する科学的な根拠の提示:開発した評価指標を適用し、対象の年齢、性別、身体機能などの特性別に、プログラムの精神面・身体面への効果とその関連要因を科学的な根拠として提示するとともに、介入研究によるプログラムの妥当性を明示した。 3.「木育」を活用した多世代交流プログラムの普及化:地域や施設機関において、「木育」プログラムを用いた多世代交流を促進するため、具体的な活用につなげるさまざまな形の実践例を検討した。
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