2012 Fiscal Year Research-status Report
急性期病院における患者特性を考慮した退院支援のあり方
Project/Area Number |
24653136
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 一郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (80179192)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 退院支援 / 急性期病院 / 在宅支援 / 医療資源 / 地域医療 / 医療連携 / 医療介護福祉 / 在院日数 |
Research Abstract |
本研究における初年度計画は、1)研究者の所属病院にて使用中の入院時に退院困難リスクを評価する退院計画スクリーニング票のこれまで蓄積されたデータをデータベース化し、患者特性とそれに対応した退院支援について類型化を試みること、および2)実際に退院支援を受けた患者の支援内容とアンケート調査による評価、である. 一方、2012年度の診療報酬改定において、退院調整にかかる診療報酬の算定基準が変更されたことにより、退院計画スクリーニング票の評価項目の一部変更が必要となった.従って、2011年度以前と2012年度のデータは評価項目が異なるため一連のデータとして扱うことが困難となり、当初の計画につき変更が必要となった. 今回の研究においては、現状の日本の医療提供体制に基づく研究成果とすべきであることから、直近のデータによる分析が好ましく、また3年の研究計画の2,3年目においても、初年度の研究を継続して分析対象を増やす計画であることから、2012年度以降のデータを研究対象とすることが望ましいと判断した. そこで、初年度は2011年度までの旧退院計画スクリーニングのデータにつき、電子カルテからデータの抽出、データベース化および分析を行った.具体的には2,761名の入院患者につき退院計画スクリーニング票の13項目(年齢、主疾患、家族構成、入院形態、入院理由、居所、退院希望先、医療の継続、ADL、失禁、意思疎通、役割遂行、介護力)および在院日数の関連につき統計解析を行った.その結果、積極的に介入すべき患者は、3/13点以上のスコアを示す者であり、また、個別項目として、居所が自宅以外、意思疎通困難者および介護力不足といった社会的背景が高い退院困難リスクとなることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載のとおり、分析すべきデータにつきその項目に2011年度以前と2012年に変更が生じたため、研究計画の一部変更が必要となった. 初年度においては、これまで蓄積した退院計画スクリーニング票のデータの分析により、スクリーニングを入院初期(あるいは入院前)に施行しハイスコア患者に対して積極的に退院支援介入を行うことの妥当性、および患者の社会的環境が長期入院のリスクとなることを明らかとした. 従って、入院患者の医学的・社会的特性と必要とされる退院支援内容との関連を検討し、退院支援の必要度を明らかとする、という本研究の目的について、3年の研究計画の初年度の実績としては一定の成果を得たものと判断し、達成度はおおむね順調に進展しているものと評価する.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究のデザインは以下の3点により急性期病院において効率的な退院支援を行うための標準的手法を提案することにある. 1)退院困難リスクを持つ患者をスクリーニングにより抽出し、これらの患者について、患者特性、退院支援の有無、支援した場合の内容、それに要したマンパワー、連携先、退院後の転帰、等をデータベース化し退院支援の類型化を試みる. 2)退院支援を受けた患者および受けなかった患者につき、退院後にアンケートを行い、退院支援の有無と患者評価の関連性を分析する. 3)在宅医療にかかわる医療・福祉資源を分析する. 研究初年度においては、1)につき、スクリーニングの妥当性や抽出すべきリスク患者の条件を明らかとした. H25,26年度においては、この結果をふまえ、H24年度に実施できなかった研究計画も含め、上記の研究デザインにそった研究を進めてゆきたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画においてH24年度に支出予定であったデータベース構築のためのサーバおよびソフトウェアにつき、研究計画の一部変更により未支出となった、これについてはH25年度に持ち越して支出予定である.
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