2013 Fiscal Year Research-status Report
グローバル・アゴラ・ネットワークによる連帯の概念と組織化の方法
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24653138
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
津田 英二 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (30314454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 広路 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (10283847)
伊藤 篤 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (20223133)
朴木 佳緒留 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (60106010)
末本 誠 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (80162840)
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Keywords | グローバル・アゴラ・ネットワーク / ボランティア / 公共的課題 / 行動変容 / 共感 |
Research Abstract |
今年度は主に、国際的な広がりをもつ社会的課題に関わるネットワークにおいて、そのようなメディアがどのような効果をもちながら、人々の間に共感を広め、人々の行動につながっていくかという点に焦点を当てた調査を行った。 第一に、身近な社会的課題に取り組んでいる人たちを対象とした聞き取り調査を行い、その際の共感がどのように生じているか分析した。第二に、東日本大震災被災地で活動している人たちと連携を取りながら、現地で生まれているニーズと遠方に住む人たちの意識のズレについて調査し、どのような方法によってそのズレが埋まり、支援しようという意識のある人たちの適切な行動を呼び起こすことができるのかということを追究した。第三に、東日本大震災の被災地に対する認識について、メディアを介した情報による認識と、現地に足を運んだ時に得る認識との違いについて追究した。 これらの調査研究によって、情報が公論に発展し行動と連帯を生み出すネットワーク(グローバル・アゴラ・ネットワークGAN)に際して、共感を生み出す情報とは何かということについての基本的な概念を得ることができた。ことさら、物理的に離れている対人間でメディアを介していたとしても、その人と人との間に基本的な信頼関係があることの重要性は、研究遂行過程で何度も出てきたテーマであった。 今年度は、被調査者とのスケジュール調整がうまくいかないなど、計画が遂行できなかった部分が残された。最終年度に、以上で述べてきた内容についてより確からしさを高めるためのデータを収集する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
聞き取り調査の実施、及びこれまで収集した資料の整理と分析について、計画よりも若干遅れている。聞き取り調査については、被調査者とのスケジュールが合わないなどの理由で、遅れている。それに伴い、調査データの整理等にも遅れが出ているが、最終年度に取り戻すことができる程度の遅れと認識している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、積み残している調査を遂行し、調査データを整理し分析することに大半のエネルギーを費やすことになる。積み残している調査は、第一に東日本大震災の復興支援の担い手となってきたボランティアを主な対象者とした、彼らの行動を支える情報とそれを生み出すメディアの活用をテーマとしたものである。第二に外国との間でのメディアによる共感伝播の可能性について、東日本大震災や韓国船セウォル号沈没事故などを題材とした調査である。 調査データの整理・分析に多くの時間を費やすことになると考えている。その過程で共同研究者による意見交換、討議を行い、研究成果としてまとめ上げる。目処がつき次第、学会(日本福祉教育・ボランティア学習学会)等での発表も考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
東日本大震災の復興支援に関わるボランティアを対象とした調査を予定していたが、ボランティア活動の進展具合によってスケジュールが合わず、調査が年度をまたいだ。またそれに伴い、調査データの整理、分析日程がずれ込んでいる。 2014年度上半期で調査を終了させ、上半期から下半期にかけてその分析をまとめて行う。
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Research Products
(11 results)