2015 Fiscal Year Annual Research Report
HIV陽性者を対象としたサポート・グループの実践過程
Project/Area Number |
24653146
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Research Institution | Higashi Nippon International University |
Principal Investigator |
清水 茂徳 東日本国際大学, 福祉環境学部, 准教授 (50615961)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ソーシャルワーク / サポート・グループ / HIV陽性者 |
Outline of Annual Research Achievements |
ソーシャルワーカーには、当事者の体験そのものへの理解が求められ、物語的理解の延長上に「告知」やその後のケアがなされることが重要であると指摘されているが、HIV陽性者の語りからHIV感染告知が及ぼす影響を探求する取り組みが十分に行われているとは言えない。そこで、本研究ではまず、支援の主要な柱と位置づけられているサポート・グループ参加者の参加後自己記述式アンケートを集計分析し、HIV陽性者が抱えている生きづらさについて把握するとともにサポート・グループが果たす機能と役割について総合的に把握することを目的とした。研究の実施にあたっては、データ解釈の妥当性を確保するため、HIV陽性者を含む協力者のチェックのプロセスを踏み、またプライバシー保護の観点から、個人を特定できないよう十分配慮して行った。 本年度は、研究目的を達成するために、研究代表者が東京都内で実践している医療従事者からの独立性を保ったHIV陽性者を対象としたサポート・グループ参加者の属性データおよび参加後自己記述式アンケートについて、平成27年度の回答を加えて集計分析を行ったほか、HIV陽性者が抱えている生きづらさへのケアにおいてサポート・グループが果たす機能と役割の実態を把握するための検討を行った。自分以外のHIV陽性者との対面や交流を安心して行える場としてサポート・グループが期待されている中、日本国内においてもHIV陽性者を対象とした新たな実践が始まるなど普及に向けての動向が注目される状況にある。今後も引き続き、サポート・グループの普及の可能性の観点から、グループの立ち上げから継続、発展等の過程を検討する等、サポート・グループの実態把握と検討を行っていきたい。
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