2012 Fiscal Year Research-status Report
成年後見活動における「ベスト・インタレスト アセスメント項目」の作成と検証
Project/Area Number |
24653147
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
西原 留美子 東海大学, 健康科学部, 講師 (10287055)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 成年後見制度 / ベスト・インタレスト / イギリスMCA / IMCAサービス / アセスメント項目 |
Research Abstract |
我が国の成年後見制度は、判断能力が不十分な人の本人意思尊重と保護の調和を図ることを理念としている。しかし本人意思の確認が困難な場合は、本人のベスト・インタレスト(最善の利益)を成年後見人が判断しなければならない。 イギリスでは2005年意思能力法(MCA)に基づく行動指針が明示されており、特にIndependent Mental Capacity Advocate(IMCA)サービスにおける情報収集の方法は、ベスト・インタレスト(最善の利益)を判断するための実践的ガイドラインとして機能している。 イギリスの行動指針を参考にしつつ、我が国独自の「ベスト・インタレスト アセスメント項目」を作成し、その有効性を検証することが本研究の目的である。 平成24年度はイギリス在住の社会福祉士の協力を得て、IMCAサービスのプロバイダー・研修機関・研究機関等が公表している最新情報の調査及び情報収集を行い、レビューが完成した。一例をあげると、The fourth Year of the Independent Mental Capacity Advocacy (IMCA) Serviceは、IMCA サービスについての保健省による報告書で、IMCAの最新の動向全般について知る最適の文書である。また、Best Interests Decision-Making: Guidance for Staffロンドンのケンジントン・チェルシー区独自の「ベストインタレスト意思決定」の職員用ガイダンスである。簡略なもので、実際的であり、わかりやすい言葉で解釈されており参考になる。 これら資料は、イギリスの行動指針運用の実際を検討するための基礎データであり、本研究の目的である我が国における「ベスト・インタレスト アセスメント項目(試案)」作成の基礎資料となるものである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
収集できた基礎データは英文で、量も膨大であるため、レビューはあるものの翻訳の優先順位を決めるための分類整理に手間取っている。また、翻訳業者選定のための情報収集が遅れており、翻訳の依頼まで至っていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
早急に翻訳業者を選定し、基礎データの翻訳を進める。 当初の研究計画では、我が国の成年後見関係者を対象に「ベスト・インタレスト アセスメント項目(試案)」の有効性を検証するため、社会福祉士・弁護士・司法書士を対象としたグループ・インタビューを実施する予定であったが、この規模を縮小し、成年後見制度に精通した社会福祉士数名を対象に、試案が実際に担当している後見等事例に適合するかどうか意見を収集することを目標とする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
翻訳作業が遅れているため、次年度使用額が生じた。次年度使用額も含めた研究費残額ほぼ全てを翻訳作業の謝金にあてて、遅れている翻訳作業を進める。
|