2013 Fiscal Year Research-status Report
心理社会面に着目した憩いのサロン事業を活用した認知症予防のための実証的研究
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24653150
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Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
竹田 徳則 星城大学, リハビリテーション学部, 教授 (60363769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 大介 星城大学, リハビリテーション学部, 助教 (90513747)
中川 雅貴 国立社会保障・人口問題研究所, その他部局等, 研究員 (80571736)
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Keywords | 介護予防 / 認知症予防 / 憩いのサロン / 心理社会的因子 |
Research Abstract |
平成25年度の研究は,①愛知県T町地域在住の65歳以上非要介護高齢者を対象とした悉皆調査の実施,②同町における既存データを活用した分析による研究を行うことなどであった. 主な結果として,①高齢者悉皆調査では,7,901名中6,157名の回収率77.9%で高い回収率であった.②既存データを活用した分析では,介護予防事業運営ボランティア52名における2年間の認知機能と社会活動の変化では,認知機能低下群は, MMSE, 連続計算, 文字位置照合課題, 認知機能正常群では文字位置照合課題でそれぞれ有意な得点上昇があった. ボランティア活動をきっかけに社会参加や社会活動が増加し, 認知機能のコミュニケーション向上と社会的認知機能の活発化が注意機能の改善に関与したと考えられた. また,予備的分析では,非要介護高齢者でADL自立の2,490人をサロン開所の2007年5月以降2012年3月まで追跡し,要介護認定発生とサロン参加有無及び参加回数との関連をコックス比例ハザードモデルで分析した.その結果,要介護認定発生は,サロン参加群521人中50人(9.6%),非参加群1,969人中275人(14.0%)でサロン非参加群が参加群の1.5倍多かった.ハザード比でみると参加「1回以下」を参照値1とした場合,サロン参加2~5回が0.53,6~20回が0.39,21回以上が0.32でサロン参加回数が多いほど要介護認定発生の確率が低いことが確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度には,平成24年度に準備した調査票を用いて,介入自治体である愛知県T町在住の65歳以上高齢者を対象にして研究助成金で実施可能な範囲で調査並びにお元気チェック(体力・認知・心理社会・生活機能など)を実施及び既存データの分析と関連学会での報告,論文執筆に着手することであった.これらについておおむね取り組むことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度には,これまでの調査データの分析として,①サロン参加者の分析(お元気チェックデータ),②サロン参加者と非参加者の分析,③サロンを活用した介護予防・認知症予防効果の分析を行う予定である.さらに,平成24年度~平成25年度に得られた結果と効果を取りまとめて社会福祉学的視点による介護予防・認知症予防について成果の報告を行う.
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