2014 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャルワーカーの実践的コンピテンスの構成要素と形成過程に関する基礎的研究
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24653152
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
丸山 裕子 高知県立大学, 社会福祉学部, 教授 (00295156)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ソーシャルワーカーの技術 / 実践的コンピテンス / 力量形成過程 / 第2次分野 / 自己覚知 / 独立開業社会福祉士 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の予定であれば、研究最終年度にあたる本年度であるが、研究に配分する時間を確保できなかったため、結果としてほとんど進展していないというのが実情である。 26年度より研究機関を異動することになり、諸般の事情により高知から大阪へ週1回前泊で非常勤として出校する必要が生じた。研究代表者や連携者とある程度関係が構築されている経験10年以上のソーシャルワーカーを対象として、自らの実践的コンピテンス形成過程に関する主観的理解の聴き取り調査をてがかりとする本研究の性質から、研究代表者・連携者と対象者のスケジュール調整が不可欠であるが、現実的にはそれが難しかった。 具体的には、①別府短期大学部伊藤佳代子准教授の協力を得て進めていた独立開業社会福祉士へのヒアリング調査準備打ち合わせと②2回のエコシステム研究会への参加といった活動しか行えていない。残念ながら、実際のヒアリング調査を実施するには至っていない。そのため、期間延長の申請を行うことにした。 一方で、本研究を着想する契機となった平成21年度-23年度科学研究費補助金基盤研究(C)「ハイリスクな状態にある利用者システムへのチーム・アセスメント支援ツールの研究」の研究成果報告書を作成することができた。新たなソーシャルワーク実践方法(ツール開発を含む)の開発とソーシャルワーカーの実践的コンピテンスの開発を2本の柱として、効果的な実践を体現できる力量の高いソーシャルワーカーの養成をめざし、多面的に研究を積み上げていきたいとの思いを強くしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
すでに25年度の報告書で、遅れているとの達成状況であった。25年度、本来ならPSW・MSWへの主観的語りを切り口とする面接調査を基盤に、独立開業社会福祉士への調査を進めつつ、PSW・MSWへの基礎調査との比較考察を行い、共通要素と形成過程(共通局面)に関する第1段階の仮説案を作成するという計画であった。しかし、独立開業社会福祉士への調査が1件のみの実施であり、比較考察ができるまでにデータがつみあがっておらず、第1段階の仮説案作成までに至っていない、という状況であった。さらに、上述したように、26年度から研究機関を異動することになり、研究環境の変化に伴う諸般の事情から独立型社会福祉士への調査を行うことができていない。26年度に関しては、調査打ち合わせと研究会参加のみであり、25年度報告した状況からほとんど進展していないというのが実情である。そのため、今回期間延長の申請をし、受理されることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
期間延長による研究最終年度にあたる27年度は、以下に取り組み、研究を深化させたい。 (1)24年度・25年度に行った本研究の基盤となる研究代表者が一人で行うPSWやMSWへの主観的語りを切り口とする面接調査のデータ分析と考察を深める。(2)上記研究と並行して、25年度予定していた3件のうち、1件しか行うことができなかった独立開業社会福祉士への聴き取り調査を実施したい。この部分の調査に関しては、上述した別府短期大学部伊藤佳代子准教授へ引き続き協力を依頼する。(3)独立開業社会福祉士への聴き取り調査を優先して進め、PSWとMSWへの面接調査との比較考察を行い、共通要素と形成過程(共通局面)に関する第一段階の仮説案を作成したい。(4)エコシステム研究会のメンバーであり、PSWやMSWとしての実践経験を有する教育・研究者からの専門的意見を得つつ、さらなる仮説の精緻化と今後の研究課題の整理を試みたい。(5)仮説案の精緻化を試みつつ、比較的新しい第2次分野で活動するスクールソーシャルワーカー、司法ソーシャルワーカー、産業ソーシャルワーカーなどへの聴き取り調査を行いたい。(6) 仮説案と新しい第2次分野のソーシャルワーカーへの聴き取り調査の考察から、共通要素と形成過程(共通局面)に関する第2段階の仮説案を作成し、学会などで広く意見を求め、さらなる精緻化と研究の深化へ役立てたい。
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Causes of Carryover |
上述してきたように、25年度に行う予定であった独立開業社会福祉士への聴き取り調査がが当初の予想通りに進めることができず、25年度末においてすでに研究全体が半年強程度遅れていた。さらに26年度より研究機関を異動することになり、諸般の事情により、高知から前任校の大阪へ週1回非常勤講師として出校する必要が生じた。そのため、当初想定していた研究に配分する時間を十分確保できない事態が生じた。研究代表者や連携者と関係が構築されている対象者へのコンピテンス形成過程に関する主観的理解の聴き取り調査を手がかりとする本研究の性質から研究代表者・連携者と対象者のスケジュール調整は不可欠だが、上記理由もあり困難であった。 期間延長を申請し、受理されたため、聴き取り調査の旅費や謝金などが次年度に移行された。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度には、上記の研究計画に基づき、以下のような研究費の使用を予定している。聴き取り調査とその打ち合わせのための旅費と研究協力に関する謝金がその中心となる。 (1)独立開業社会福祉士への面接調査のための旅費と謝金(伊藤准教授分含)(2)PSW・MSWとしての実践経験を有する教育研究者からの専門的意見聴取に伴う旅費や研究協力に対する謝金(3)スクール・ソーシャルワーカー、司法ソーシャルワーカー、産業ソーシャルワーカーなど比較的新しい第2次分野で活動するソーシャルワーカーへの聴き取り調査のための旅費や研究協力に対する謝金、(4)研究経過と成果を学会などで報告するための旅費(5)報告書の印刷費
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Research Products
(1 results)