2013 Fiscal Year Research-status Report
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24653153
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Research Institution | Kobe University of Welfare |
Principal Investigator |
兼子 一 神戸医療福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (30441413)
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Keywords | アートセラピー / 全国実態調査 / 社会学 / 芸術諸学 / 臨床心理学 / 地域福祉 / 子育て支援 / コミュニティ・エンパワーメント |
Research Abstract |
平成25年度の研究実施計画どおり、第1四半期(4-6月)で①アンケート調査の実施と集計 ②ホームページの開設 ③集計データの分析を行った。①について、平成24年度の研究における遅れから、調査票の印刷・発送作業が4月末となった。調査票の有効配布数は868票、回答数235件、回収率27.1%であった。回収率向上のため再度協力依頼したため、計画より1ヶ月程度遅れが生じ、データ入力の委託が7月となった。尚、その後も調査対象者が浮上した場合は随時調査票を発送し、回答データを更新している。③の分析は現在も継続実施している。 第2四半期(7-9月)は当初の計画どおり質的調査(1.半構造化面接法によるインタビューと2.セラピーの参与観察)に着手した。アンケートで質的調査への協力を承諾した回答者128人から、ジャンル・年齢・活動内容・エリア・運営方法の点で多岐にわたるように精査し、全国10エリア(北海道・東北・北陸・関東・東海・関西・中国・四国・九州・沖縄)から市井のアートセラピストを中心に30名を有意抽出した(但、沖縄エリアは時間と予算から該当者なしと判断している)。プレ調査含め20件の質的調査を実施した(兼子・石原・小村)。調査エリアは北陸1件・関東2件・東海7件・関西5件・中国3件・四国2件であり、北海道・東北・九州エリアは次年度に持ち越しとなった。うち調査#12の参与観察として、甲南アーツセラピー研究会(母体:科学研究費補助金「芸術学と芸術療法の共同基盤の形成」 (25284046,代表:川田都樹子))と共同し、ワークショップを実施した(当費用は川田科研が負担)。 その他、この間に研究会を4回行った(6,7,8,12月)。また研究中間報告を、関西社会学会(5月,兼子)、甲南アーツセラピー研究会(11月,兼子・石原)、同志社大学人文科学研究所(3月,石原)において計3回行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
初期の研究計画では平成25年度内に質的調査を終える予定であったが、(1)アンケート調査の対象者抽出方法が見直され、実施が平成25年度第1四半期(4-6月)にずれたため、質的調査の準備と実施の着手が3ヶ月遅れたこと、(2)平成25年度の研究実施計画では、質的調査は10-15名の対象者を有意抽出する予定であったが、全国10エリア(北海道・東北・北陸・関東・東海・関西・中国・四国・九州・沖縄)別と活動内容の類別から抽出作業を行った結果、当初の調査予定人数では十分な調査結果が得られないと判断し、調査対象者を暫定的に30名に増加したこと、これらの理由から残り8名の調査は平成26年度にせざるを得ない状況になっている。また(1)、(2)の理由および、質的調査への時間の充当拡大により、集計データの分析、ホームページの更新などの実施に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度第1四半期(4-6月)では、平成25年度中の計画で実施できなかった質的調査8件について継続して調査を実施する。残っている調査対象者は遠隔地が多いため、質的調査は第2四半期(7-9月)まで予定している。尚、関東方面の質的調査については、可能であれば関東在住のアートセラピスト瀬崎真也氏(調査#20の調査対象者・秋元病院勤務)を研究協力者に迎え実施したい(交渉中)。また、これまで研究代表者(兼子)に、研究協力者3名(石原みどり・小村みち・宮川貴美子)が調査員として加わることで研究を進めてきたが、調査研究を進める上で人材不足となっいる。今後さらに研究を推進するために瀬崎氏ほか2~3名の調査員を新規に加えることで人材不足を補う予定である。なお、上記の研究活動および研究協力者の追加は、平成26年度の実施計画に並行させて行っていく。 次に、平成26年度の実施計画では、第1四半期からこれまで蓄積してきた量的データ・質的データの分析を中心に研究を進めていく。特に調査情報・調査結果の公表を行うため、第3四半期(10-12月)に予定している研究誌への論文投稿および学会報告の準備を行いながら、第4四半期(27年1-3月)に向けて報告書・論文の作成に注力する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1) 研究実施計画の遅れにより、見込まれていたインタビュー調査に関わる支出が次年度にずれ込んだため。 (2) インタビュー調査件数増加のため、調査一件あたりの予算を見直すことによって、経費節減策が奏功したため。 残る8件のインタビュー調査実施にともない発生する諸費用に使用。
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