2013 Fiscal Year Annual Research Report
医療との連携促進による在宅認知症高齢者への虐待対応に関する研究
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24653158
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
菊地 和則 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (00271560)
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Keywords | 高齢者虐待 / 医療との連携 / 地域包括支援センター / 病院 / 在宅療養支援診療所 / 居宅介護支援事業所 / 訪問看護ステーション / 認知症 |
Research Abstract |
養護者による高齢者虐待への対応においては、高齢者への医療や認知症ケアが必要とされるだけでなく養護者への医療も必要とされるなど、医療機関との連携は不可欠である。しかし、高齢者虐待防止法が施行されて久しいが、いまだに医療機関の理解と協力が十分に得られない事例が散見される。本研究は養護者による高齢者虐待への対応における地域包括支援センターと医療機関との連携を促進するための要件を明らかにし、もって被虐待高齢者の権利擁護を推進することを目的としている。 東京都内の地域包括支援センター全数、病院全数、在宅療養支援診療所500ヶ所、居宅介護支援事業所500ヶ所、訪問看護ステーション500ヶ所を対象とした郵送調査を平成25年9月~10に実施した。回答のあった地域包括支援センター147ヶ所、病院131ヶ所、在宅療養支援診療所119ヶ所、居宅介護支援事業所221ヶ所、訪問看護ステーション227ヶ所を対象として分析を行った。 地域包括支援センターに対する調査において、高齢者への医療サービスの提供が虐待解消・軽減効果があるか聞いたところ、8割以上で効果がある事例があると回答があった。また、養護者への対応に医療機関が協力することによる虐待解消・軽減効果についても8割近くで効果がある事例があるとの回答があった。 病院と在宅療養支援診療所に対する調査では、虐待対応に協力するために必要なことを聞いたところ、「高齢者医療費支払いの確保」、「養護者の脅し・暴力等があった場合の支援」、「医療同意を行う家族・親族の確保」、「区市町村判断による医療機関一時保護制度の創設」、「成年後見人の選任」が4割を超えていた(複数回答)。 本研究により、虐待対応における医療機関の協力に虐待解消・軽減効果があること、そして医療機関が虐待対応に協力するための要件が明らかとなった。
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Research Products
(1 results)