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2013 Fiscal Year Research-status Report

バイリンガルの記憶表象モデルの構築

Research Project

Project/Area Number 24653186
Research InstitutionOtemon Gakuin University

Principal Investigator

石王 敦子  追手門学院大学, 心理学部, 教授 (80242999)

Keywordsストループ効果 / バイリンガル / 自伝的記憶
Research Abstract

本研究では、日本語を使用しているバイリンガルの記憶表象モデルを構築することが目的である。そのために、これまで別々の文脈で行われてきた自伝的記憶のような長期記憶に関わる実験と、ストループや翻訳課題のような作動記憶や注意が関わる実験とを同時に行い、それぞれの実験結果を統合することを考えている。これまでは、欧州や北米などのバイリンガル国家で行われてきた研究をもとにしたモデルが多いが、日本語を前提としていないこと、二言語に熟達したバイリンガルに適用されることなどの問題点があり、日本で行った日本語と外国語のバイリンガルの実験結果をすぐ適用できるわけではない。日本語で行った実験結果によるバイリンガルの総合的なモデルの構築が求められており、本研究のめざすところである。
まずは、日本語-英語バイリンガル者を対象として、彼らの自伝的記憶や知識がそれらを獲得したときに使用していた言語に依存して貯蔵されているかどうかを検討することにした。その前提としてバイリンガルの人たちの実態を調査することにし、昨年度は、カナダに住む日本人の方達にその言語使用についてインタビューを行った。その結果、個人差はあるものの二言語の言語能力が不均衡なバイリンガルの多いことがわかった。
今年度はそれをもとに、二言語にほぼ同等の言語能力を持っている参加者のみを対象とするのではなく、二言語の能力が不均衡なバイリンガルの人たちも広く参加者として加えるために、モデルの再構築を検討することにした。そのために、まずは先行研究を見直してその詳細な検討をし、専門家からの意見も聴取してそれらを論文にまとめた。論文では、質問紙等で参加者の言語的背景を細かくチェックすることが必要であることを指摘した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、昨年度に行ったカナダに住む日本人の方達のインタビューにもとづき、モデルの再構築を検討した。昨年度の結果では、カナダに移住をした人たちには個人差はあるものの二言語の能力が不均衡な人もみられた。世代によっては、日本語か英語のみを主として使用している場合もあった。
モデルの再構築を検討するために、まずは先行研究を見直してその詳細な検討をし、専門家からの意見も聴取してそれらを論文にまとめた。先行研究においても必ずしも二言語に対等な言語能力をもつ参加者ばかりではなかった。その場合は、二言語の能力について質問紙で細かく調べることがされていた。しかし個人差が大きいこともあり、その言語的背景と実験の結果が適切に対応させられているとはいえず、言語的背景の十分な活用はみられなかった。したがって、今後研究を進めていくためには、個人の言語的背景をおさえたうえで実験を行うことが求められるといえる。

Strategy for Future Research Activity

日本語-英語バイリンガルの自伝的記憶や知識がどのように貯蔵されているか、また素早い反応を必要とされる課題では、どのように二言語が活性化されるかについて検討する。実験参加者については、二言語の能力が不均衡なバイリンガルの人も多いので、その点をとらえるために、個人のさまざまな言語的背景を質問紙で調べることにする。また、カナダでの実験参加者が思うように獲得できなかった場合は、日本で生活している外国人を対象に参加者を募ることも考えて、データの確保に努める。前年度に引き続き文献検討を行いながら調査と実験を行なう。
関連学会等で成果発表をしたり、他の研究者と交流を行なったりして、他者から意見を聞く機会をもつ。また専門的知識の提供も受けて、これまでの研究成果をまとめる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年5月に研究代表者の不測の病気により準備が整わなかったこと、さらに体力回復が十分でなかったこともあり実験のための渡航が延期された。
延期された計画は平成26年度に施行される。今年度は実験データの収集をするための旅費、実験実施にあたっての実験補助、データ整理等の研究補助、専門的知識の提供等、消耗品や通信費、資料収集のための国内外の学会旅費等に経費を使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 二言語併用者の自伝的記憶2014

    • Author(s)
      石王敦子
    • Journal Title

      追手門学院大学心理学部紀要

      Volume: 8 Pages: 1-12

URL: 

Published: 2015-05-28  

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