2014 Fiscal Year Annual Research Report
POSITIVE FOCUS面接が要介護高齢者のWELL-BEINGに及ぼす影響
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24653205
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Research Institution | Kobe Shinwa Women's University |
Principal Investigator |
末田 啓二 神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (30216270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 信子 神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (00204834)
丸山 総一郎 神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (70219567)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | positive focus / well-being / 高齢者 / ポディティブ心理学 / 介入効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究を進めるに当たって問題の背景、関連分野の研究動向を含め、研究の意義と枠組みを構成した。これらの経緯についてはH.24,H.25年度の学内紀要で報告済みである。 最終年次に当たるH.26年度では実証的研究を中心に、本研究の核心に当たるpositive面接(PF面接ー個人の発語内容の中のポジティブ部分に反応し、焦点化して面接の展開を図ったり、ポジティブな言い換えや解釈による対応)が、高齢者の心理的well-being の維持・向上に効果をもたらすか、その介入効果を検討した。 被験者は50名(69-98歳)、男性12名、女性38名。特別養護老人ホーム・ケアハウスなど4施設入居者。施設指導員により、面接や聞き取り調査が可能と判断された高齢者。被験者はランダムに3群に分類された。PF群15名、自由面接群15名、対照群(面接なし)20名。面接は毎週1回60分、計8回。面接前後に3つの尺度によるwell-beingの測定(PGCモラールスケール、統合性尺度(EPSI)、自尊感情尺度)。さらに介入効果の持続性の検討のために、追跡調査として1ヵ月後の3尺度の測定をした。面接または調査担当は15名の女子大学生で、それぞれ個別に実施した。介入効果の検証は面接前後の尺度得点の変化と、面接時の態度評定の変化であった。 分析の結果、尺度得点の変化は総じて増加方向に変化し、特にPF群での変化が大きかった。しかし変化が認められなかった尺度もあった。また面接時の態度評定では、特に表情変化に関してはPF群がよりポジティブに変化する傾向が認められた。全体的に分散が極めて大きく、一貫した結果が得られず、PF面接の有効性は検証されなかった。 以上の実証的研究に加えて、高齢者のwell-beingを規定する宗教的心情に関係するアニミズム心性についても検討してきた。それらの内容は学内紀要と学会発表で報告した。
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Research Products
(2 results)