2012 Fiscal Year Research-status Report
スペイン高等教育における教養教育の「二重の質保証」システムに関する研究
Project/Area Number |
24653222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北原 良夫 東北大学, 高等教育開発推進センター, 准教授 (20250805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 歳之 東北大学, 高等教育開発推進センター, 助教 (60436178)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 学校教育 / 二重の質保証システム / 教養教育 / 国際研究者交流(スペイン) |
Research Abstract |
本研究は、スペインの(高等)教育制度やその発展過程の把握、及び、現在進行中の教育制度改革の内容とその影響等についての把握、検討を通して、スペイン高等教育の教養教育における「二重の質保証」を可能ならしめているシステムの実態等を明らかにすることを目的としたものである。スペインの高等教育制度やその運用実態に関する先行研究の蓄積はきわめて乏しい状況にあり、本研究における、スペインの高等教育制度の発展及び改革に関する検討を通して、我が国の高等教育の発展にも重要な示唆を与えようとするものである。 研究初年度に当たる本年度においては、本研究の展開に必須の情報となる、スペインの(高等)教育制度の歴史的展開、現在進行中の教育面での欧州連合間相互認証を目指す教育制度改革の内容について把握することを主たる目的として、既存の文献や資料等による情報収集を行い、基本的かつ重要な情報について整理を進めた。 当初の計画では、訪問調査も予定しており、まず東京のスペイン大使館を訪問して、スペイン(高等)教育制度の概要を把握し、スペイン本国での訪問調査を実施する上での協力を求めた後、実際にスペイン本国の教育行政機関及び高等教育機関を訪問して、聴き取り調査及び資料収集等を行う予定もあった。しかし、補助金の支出に柔軟性をもたせ、できるうる限り効率的な使用を行う等,下記「現在までの達成度」の項目でより詳細に述べる理由により、訪問調査については次年度以降に行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上記「研究実績の概要」でも述べたように、スペインの高等教育制度やその運用実態に関する先行研究の蓄積はきわめて乏しい状況にある。それゆえ、本研究では、現地に赴いての聴き取り調査及び資料収集等が中心的な研究手法となるが、上述の通り、現時点では訪問調査は実施されておらず、そのため自己評価を(4)とした。その理由及び関連して本年度直接経費の支出がない理由は以下の通りである。 中心的な研究手法が訪問による聴き取り調査及び資料収集等であることから、助成金の相当部分が旅費(航空運賃、滞在費、国内及び現地交通費等)に充てられることになっている。応募時の計画では、旅費が総額の8割以上を占めており、スペイン本国への訪問調査については、研究初年度の今年度から最終年度の再来年度の3年度に渡り毎年度、地域を適宜区分して順に聴き取り調査及び資料収集等を行う予定であった。交付予定額は応募時の6割程度に減額されたが、今年度当初の交付申請時点でも、減額により規模を縮小するにせよ毎年度訪問調査を行う予定であった。しかし、その後、今年度の具体的な実施計画を研究分担者と協議した結果、規模縮小による調査の質低下等を避けるため、特に多額の支出となる航空運賃の支出回数を3回から2回に減らし、訪問調査は次年度以降に集中的かつ効率的に行うこととした。その結果、訪問調査に必要な録音機材の購入等も当面必要がなくなった。さらに、細切れの支出を避けできるだけまとまった額にしておくことで運用に柔軟性をもたせることができる等の理由から、基金化を最大限に活用し、今年度分の全額を次年度に繰り越すこととした。 なお、訪問調査延期の副次的な理由としては、時間的に訪問調査を行うのが比較的容易な夏季休業期間中に、東日本大震災による被害復旧及び耐震工事等のため居室のある建物からの完全退去があり、その作業のため相当の時間が必要となったことがある。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の遅れを速やかに取り戻すため、次年度(平成25年度)からの2年度の間に、当初の3年度分の計画を圧縮した形で精力的に実施することになる。特に、最終年度となる3年度目(平成26年度)に圧迫が生じないよう、2年度目に当たる次年度は特に集中的に研究計画を遂行してゆくつもりである。 具体的には、今年度及び次年度に行う予定であった、①スペイン高等教育(制度)の発展過程及び近年の動向とその影響の把握、②第一課程で共通の学位を授与することが可能となっている背景と問題点、及び、③第一課程の教育内容の特徴、3点について、文献や資料を通しての調査や訪問調査(東京のスペイン大使館及びスペイン本国の教育行政機関や高等教育機関等)により研究を進める予定である。後者の訪問調査の対象としては、国立大学が多数を占めるスペインにおいて高等教育行政の担い手となっているスペイン教育科学省に加え、スペインでもっとも古い歴史をもつサラマンカ大学や、マドリッドとその近郊に所在する複数種類の高等教育機関を主な訪問先として計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の調査のため、今年度~平成26年度の3年度に渡る交付予定額(直接経費:220万円)の半額程度を使用する予定である。また、その大部分が、訪問調査のための旅費や滞在費等、及び、録音機材購入や通信費等の訪問調査関連経費に充てられる予定である。
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