2013 Fiscal Year Research-status Report
教員養成教育における電子黒板・デジタル教科書を活用した教育方法に関する実践的研究
Project/Area Number |
24653223
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小川 哲哉 茨城大学, 教育学部, 教授 (80194439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村野井 均 茨城大学, 教育学部, 教授 (10182130)
杉本 憲子 茨城大学, 教育学部, 准教授 (70344827)
生越 達 茨城大学, 教育学部, 教授 (80241735)
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Keywords | 電子黒板 / デジタル教科書 / ICT教育 |
Research Abstract |
平成25年度は,教育学部附属教育実践総合センター(以下,実践センター)の模擬授業室での実践的な研究と,教育現場でのICT教育実践,さらには茨城大学における教員免許状更新講習(以下,更新講習)での実践など,ICT教育の理論と実践を往還する試みを実施した。 まず実践センターでの実践的な研究は,ICT教育の講習会において,先進的な試みを紹介した。研究代表の小川は,光村図書の小学校6年生のデジタル教科書教材「『鳥獣戯画』を読む」を取り上げ,デジタル教科書の可能性を模索した。さらに長年小学校教諭の経験がある特任教授に小学校2年生の教材「ビーバーの大工事」を使ったアナログ的授業とデジタル教材との融合性を論究した。 教育現場でのICT教育実践は,茨城町立桜丘中学校において小川の指導の下で大学院生の理科の授業を行った。血液の構造を理解させるICT教育実践を有効に機能させるための授業展開のあり方を論究した。尚,この教育実践の詳細は,小川が編集した『二つの学びが新生する公立学校-茨城町立青葉中学校の誕生』(協同出版,2014年)に収録した。 現職教員に対するICT教育実践としては,茨城大学における更新講習「新課題講習:ICT教育の理論と実践-電子黒板・デジタル教科書の活用法-」を行った。最初にICT教育の理論と歴史を紹介したのち,中学校社会科のデジタル教科書を活用しながら,インターネットからの教材作りを教師たちに体験してもらい,模擬授業実践を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は,前年度よりもより実践的な成果が達成できた。この研究の当初からの目的は,教員養成教育において電子黒板やデジタル教科書がいかに有効に活用できるかとその教育方法的な可能性を明らかにすることであった。 そのためには,単に理論的な側面からの研究だけでは不十分であり,どうしても実際の教育の「現場」においてその有効性が確認されなければならない。その意味では,中学校の現場で行った理科のICT教育や,教員免許状更新講習において現職教員と共にICT教育の教育的意義を確認する作業は,本研究の重要な課題達成になっていると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,前年度で達成されたICT教育の理論や教育現場の視察で得られた知見に基づいて具体的なICT教育実践を行った。学校現場におけるICT教育の有効性や現職教員と共に論究した教育実践の成果は,我が国ICT教育の可能性を確認できる考察であった。 そこで今年は,国外でのICT教育の現状と課題を論究するため,昨年度国際情勢の問題から訪問できなかった韓国の忠北大学のHoseung Byun准教授に同行いただきながら,韓国のICT教育の実態を分析する。さらに国内での先進的な教育実践を視察しながら,最終年としての成果をまとめる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度に行う予定であったICT教育の国外視察(韓国)が,国際情勢の事情で実施できなかったため,今回その予算執行を行う。さらに最終年度にまとめる報告書の作成にも予算が必要となる。 国外視察の予算,国内視察の予算,さらに報告書を作成・印刷する予算に使用する。
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