2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24653227
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤田 雄飛 九州大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (90580738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 健一郎 大阪国際大学短期大学部, その他部局等, 講師 (60379229)
渋谷 亮 成安造形大学, 芸術学部, 講師 (10736127)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 科学・技術 / アクターネットワークセオリー / 実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はその全体において、理論体系として確立した科学ではなく、科学的な知が成立するプロセスの内側へと踏み込むことで、諸科学が教育をめぐって相互に絡み合っていくその様相を検討し、科学と教育(学)の境界領域に立ち上がる「教育的なるもの」を描くことを目的として取り組まれた。そのために,本研究ではミッシェル・フーコーの系譜学やブルーノ・ラトゥールの科学論を方法論として導入することで,科学・技術的な知を閉じた実験室内で行われる理性的な観察の帰結と捉えるのではなく、様々な領域にわたって諸々の配置やネットワークを構成する実践の帰結として把握することとした。これによって科学性や合理性が産出されるプロセスそれ自体を問題化し、諸領域を横断しながらそうしたプロセスを記述することが可能になったと考えられる。それは具体的には、「授乳」、「おもちゃ遊び」、「幼年期」という、教育学にとって重要な実践や概念の生成を辿る作業であり、その延長上においてこそ、科学・技術と接続された知を提示することが可能になると言える。 こうした関心のもと,藤田は,科学的真理を人びとの日常的な実践によって各処で不断に立ち上がり続けていくものとして描くために,19ー20世紀転換期の授乳を巡る実践を対象としながら分析した。久保田は世紀転換期における玩具の教育化の過程を見ることをとおして,幼児教育を中心に玩具が教育の文脈で語られるようになるその知と実践の絡まり合いのプロセスを分析した。渋谷は,精神分析を発達や親子関係をめぐる知を提供する「子どもの科学」のひとつとして位置づけ,その成立過程を探求することで,精神分析に幼児期という概念が生じてくるプロセスを検討した。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] 真理と実践2015
Author(s)
藤田雄飛
Organizer
「科学と技術をめぐる教育思想史」報告発表会
Place of Presentation
九州大学(福岡県福岡市)
Year and Date
2015-03-08
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