2013 Fiscal Year Research-status Report
今、新たな教養像の構築に向けて、教育哲学の果たすべき役割とは?
Project/Area Number |
24653229
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
天野 雅郎 和歌山大学, 教育学部, 教授 (80151124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小関 彩子 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (10379604)
佐藤 和正 和歌山大学, 教育学部, 教授 (20162414)
永井 邦彦 和歌山大学, 教育学部, 教授 (50144639)
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Keywords | 教養教育 |
Research Abstract |
昨年度(平成24年度)と同様、今年度(平成25年度)も研究代表者(天野雅郎)と研究分担者(永井邦彦)の職務が多忙を極め、それぞれ副学長(教養教育担当)と学部長(教育学部)の任に忙殺されることになった。また、この数年来の「大学改革」の動きと、各学部の「ミッション再定義」に応じて、本研究の研究母胎(教育学部・総合教育課程・文化研究プログラム)も、数年後には廃止が決定される事態にまで至っている。 その結果、本研究は学部単位の研究から大学全体の研究へと、その領域を移行せざるをえないことになったし、その対象も広く、全学部・全学年の学生へと拡張せざるをえないことになった。幸い、本研究の取り組みは次第に、他大学やマスコミを通じて評価されるに至っており、昨年度は滋賀大学と福島大学から、それぞれ講演の依頼があり、さらに『毎日新聞』と『読売新聞』と『朝日新聞』の、各新聞社からも取材を受けることになった。 いずれも地方国立大学の、特徴的な「教養教育改革」の取り組みとして、本学の企てが注目され、評価されるに至った結果であろう、と自負している。本研究は、そもそも理論面と実践面を統合した、広く「大学改革」としての「教養教育改革」の性格を兼ね備えているから、このような評価を励みとして、今後も地方国立大学でなければ為しえない、中央の有名マンモス大学とは違う、さまざまな企てを推し進めていく所存である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度(平成24年度)と同様、おおむね順調に進展している、と自負している。が、依然として研究分担者の研究成果が実践面(共同の授業計画と学生指導、ならびにプログラム運営)に留まり、理論面での目ぼしい業績を提示するには至っていない、という反省も昨年度と同様である。次年度(平成26年度)には、研究成果報告書の作成も控えており、そこには研究分担者の個別の論文が上梓されるように、強く期している次第である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の前期(平成26年4月)以降、研究代表者(天野雅郎)は教育学部の所属を離れ、授業担当や学生指導は従来の形のまま、本学全体の教養教育の担当組織(「教養の森」センター)に移り、その専任教員として勤務することになる。また、次年度の後期(10月)以降、本学附属図書館の改築工事が完了し、この数年来、本学の「図書館改革」と「教養教育改革」を連動させ、推し進めてきた取り組みは、いよいよ、その加速の度合を強めることになる。 このような動きに合わせて、本研究の拠点も学部単位から大学全体へと、その中心を移すことになる。現在、センター(「教養の森」)の担当教員には、各学部から1名以上の教員(計8名)が顔を揃えている。結果的に、本研究の補助事業期間は次年度が最終年度であるが、本研究自体は、より新しいメンバーを動員した、より新しい展開を考えており、文字通りの「挑戦的萌芽研究」の名に値する研究として、締め括る予定である。 次年度(平成26年度)は、本研究の補助事業期間の最終年度に当たる。したがって、当初の目論見の通り、この3年間の研究成果報告書を作成し、本学の内外に向け、研究成果の評価を問うのが主目的となる。予定通り、報告書には研究代表者と研究分担者の研究論文が掲載されるが、それと同時に、この十年来、本研究の研究母胎となってきた「文化研究」プログラムの、プログラム自体の歩みと、その歴史的総括を試みるのも重要な目的である。 結果的に、このプログラム自体は数年後には廃止され、今後、本学の教育学部に同様の「非‐学校教育教員養成」課程が存立することになるのかは、きわめて可能性の希薄な状況に至っている。そのような状況下で、これまで本学の「非‐学校教育教員養成」課程と、そのプログラムが果たしてきた機能や、その意義や価値を振り返るのは、現時点において、はなはだ重要な歴史的作業であろう、と確信している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度の旅費の調整額と、今年度の物品費の差し引きで、次年度に繰り越し額が生じたものである。 研究費全体の使用計画については、変更の必要はない。
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Research Products
(5 results)