2014 Fiscal Year Annual Research Report
特別支援教育におけるパートナーシップ原理モデルの確立に向けた比較教育学的研究
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24653246
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
河合 康 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (90224724)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 特別支援教育 / パートナーシップ原理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、特別支援教育を推進するために教育、福祉、労働等の関係機関が連携していく手段として、パートナーシップ原理をキーワードとして研究を行った。 平成26年度はパートナーシップ原理が機能するためには、幼少期からの障害理解教育が重要であるという認識に基づき、特に、対象が最も多く、体験を通した理解が難しい知的障害児者を取り上げて研究を行った。具体的には、J市内の全小学校52校の教員を対象に障害理解教育の実施状況に関する調査を行った。回収率は89%(437名)であった。調査内容は、(1)教師の基礎情報、(2)小学校で行う知的障害の障害理解教育に対する意識、(3)知的障害の障害理解教育の実施状況、(4)障害理解教育を実施した教師(以下、実施群)からの回答、 (5)障害理解教育を実施しなかった教師(以下、未実施群)からの回答、(6)知的障害の障害理解促進のための効果的な取組、であった。 分析の結果、通常の学級の教師は、知的障害の障害理解促進のために「一人一人の良さを認めること」「特別支援学級の教師との積極的な連携」「互いに思いやれる人間関係づくりを行うこと」「通常の学級での特別支援教育の推進」「道徳教育の重視」「教師が対象児と関わる姿を児童に見せること」が効果的な取組だと考えていることが明らかになった。これらを踏まえて、今後は、教師が知的障害児を学級の中の一人として捉え、その児童を含めた一人一人の良さを大切にした学級経営を実践していくことが障害理解促進には重要であることが指摘された。 また、3年間で実施した日本研究及びイギリス、アメリカ、インドネシア、パキスタンにおける研究を総括して、わが国に適したパートナーシップ原理モデルを提起した。
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Research Products
(3 results)