2013 Fiscal Year Research-status Report
戦後日本におけるアメリカナイゼーションと女性知識人の社会学的研究
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24653248
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲垣 恭子 京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (40159934)
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Keywords | 女性知識人 / アメリカナイゼーション |
Research Abstract |
本研究は、戦後日本における女性知識人の社会的顕在化とその拡大・変容の過程を、アメリカナイゼーションと関連づけながら社会学的な角度から明らかにすることを目的としている。 本年度は、昨年度(初年度)のリサーチをふまえて、(1)戦後活躍した女性知識人の特徴についての分析 (2)「アメリカ帰り」女性知識人の典型である石垣綾子に関する資料の収集と整理 を行なった。 (1)では、戦前から継続して論壇活動を行なっているタイプ(「戦前派女性知識人」)と、戦後になってから頻繁に論壇・メディアに登場し活躍するようになったタイプ(「戦後派女性文化人」)の特徴について分析を行なった。そこから、戦後とくにアメリカ留学(生活)を経験した女性知識人/文化人の活躍が目立つようになったことを跡づけることができた。 (2)戦後派の女性文化知識人のなかで、特に戦前~戦後にかけて30年以上のアメリカ生活を経て帰国し、政治、文化、生活のさまざまな領域で広く執筆・言論活動を展開した石垣綾子に焦点をあてて、その生育歴や活動についての資料を収集した。今年度は、主としてアメリカに渡るまでの資料及び帰国後の執筆活動、社会的活動、交友関係など、日本での生活に関する資料収集と整理を行なった。膨大な資料の整理とそれらをもとにした著作目録、年表作成にとりかかっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた作業として、(1)についてはメディアに登場する女性知識人/文化人の特徴と傾向を考察し、跡づけることができた。(2)についても個人資料を含めて膨大な資料を収集することができた。以上より、今年度の研究実施計画に基づいておおむね順調に進展していると判断できる。ただし、資料の整理が予想以上に時間を要するため、資料整理・分析にはさらに時間が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、引き続き主として石垣綾子関連の資料の収集と分析・考察を行なう。特に石垣綾子のアメリカ時代の言論活動や生活について、現地での資料収集とインタビュー調査を行なう。収集した資料・インタビューの整理・分析と同時に、これまで収集した資料を合わせてライフストーリー全体を統括するとともに、研究全体をまとめていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度中に、石垣綾子氏のアメリカ時代の生活や活動についての調査のために外国出張を予定していたが、石垣記念館から借用した個人資料が膨大なため、整理作業に予想以上に時間がかかり、外国出張を延期することにした。 主な支出として以下を予定している。 1.引き続き石垣氏の個人資料の整理・分析業務を行なうため、それに関わる謝金 2. 石垣氏のアメリカ時代の調査と資料収集のための外国出張旅費 3.関連する文献
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] co-organizer,commentator2014
Author(s)
稲垣 恭子
Organizer
international conference ”Childhood, Education and Youth in Imperial Japan, 1925-1945”
Place of Presentation
Clock Tower, Kyoto University
Year and Date
20140111-20140112
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