2013 Fiscal Year Research-status Report
顔情報抽出技術を用いた聴衆の分析に基づく講演評価システムの開発
Project/Area Number |
24653250
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
仲矢 史雄 大阪教育大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (90401611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高比良 美詠子 中部大学, 人文学部, 准教授 (80370097)
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Keywords | 非言語コミュニケーション / マシンビジョン |
Research Abstract |
本研究の目的である複数人の顔情報から講演等の『場の雰囲気』を抽出するシステムの開発をすすめ、本年度、複数人の非言語コミュニケーション解析システムの測定精度の向上、比較分析自動化、コミュニケーション情報の多チャンネル化(表情:喜、怒、哀、楽、不安、驚き;顔運動情報:向き、位置、視線、瞬き)を実現した。 これまでの解析システムでは、解析対象の動画画像から一括で非言語コミュニケーション情報を抽出すると、対象とする全員の平均値について各時系列情報を得ることはできたが、その情報をフィードバックし個々の時系列情報と比較することは困難であった。この課題に対し、解析データの表示インターフェイスを再構築し、マクロな全体情報とミクロな個々の情報を、任意に表示選択できるシステムを作成した。 また、表情分析システムを改変し、多様な非言語コミュニケーション(表情:喜、怒、哀、楽、不安、驚き)の抽出情報の精度を向上することが出来た。解析精度が向上できたことに伴い、複数人の表情から得られる観客のマクロな状態情報、すなわち『場の空気』の時系列情報はノイズ成分を減らすことに成功した。さらに各表情情報(喜、怒、哀、楽、不安、驚き)のそれぞれのマクロなな状態情報同士の比較も精度良く行う事が可能になったことで、講演者のプレゼンテーションの文脈による聴衆の反応の変化に対する解析をより深く、多面的に行うことを実現することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
装置の開発に関し、非言語コミュニケーション解析システムの測定精度の向上、比較分析自動化、コミュニケーション情報の多チャンネル化(表情:喜、怒、哀、楽、不安、驚き;顔運動情報:向き、位置、視線、瞬き)を実現することができた。システムの完成と精度検証が本年度の後半にかかってしまったため、本研究の最終的な目的である実地の講演での『場の空気』の形成過程を明らかにすることが今後さらに必要な状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
開発したシステムは、ほぼ自動的に講演会等の撮影画像を解析することが可能になった。今後は実証研究をすすめる。なお、今回のコミュニケーション情報の多チャンネル化(表情:喜、怒、哀、楽、不安、驚き;顔運動情報:向き、位置、視線、瞬き)によって、精度良く検証可能な講演会の種別の幅を広げることが可能になり、多様な文脈を持つプレゼンテーション内容について、解析を推進する。また、開発されたシステムは、言語による意思表示が困難な聞き手のコミュニケーション情報を抽出するシステムとして活用したいという意見があり、検証可能かどうかについても研究を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度、システム開発に当たり、表情分析取得SDKを前年度まで用いた表情分析取得システムから、より精度の高いシステムに変更を行った。その結果、解析によって得られるデータ精度については大幅に向上させることができたが、開発に時間を要したためと数値処理の最適化の変更を行ったため、実証実験の回数が制約された。その結果、実験に伴う経費分の未使用が発生した。 次年度は、開発されたシステムを用い、十分な実証実験データの取得を行う。そのために、被験者および模擬発表者やデモ映像等の購入の経費を支出する。システムの改善と修正に資金を活用する。
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Research Products
(1 results)