2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24653256
|
Research Institution | Poole Gakuin University |
Principal Investigator |
中島 智子 プール学院大学, 国際文化学部, 教授 (80227793)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 侖貞 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (40464557)
広瀬 義徳 関西大学, 文学部, 准教授 (90352822)
|
Keywords | 学校の多文化化 / 外国籍教員 / 国籍条項 / 教員文化 / 外国人のキャリア形成 |
Research Abstract |
本研究は、これまでほとんど先行研究のなかった外国籍教員の実態と課題の解明を目的としている。2年目(最終年度)にあたる今年度は、1)前年度実施した全国自治体郵送調査のデータ確認作業と教育委員会訪問調査の継続、2)外国籍(ルーツ)教員の聞き取り調査の継続、3)研究成果の発表と社会的還元、報告書の作成を行った。1)については、回答のあった教育委員会に回答内容の確認と成果発表でのデータ使用の了承を行い、堺市及び兵庫県教育委員会に訪問調査を実施した。その結果、回答データの正確さを確保でき、任用実態を5タイプに分類することができた。 2)としては、前年度は聞き取りに協力を得られる該当者を探しあててインタビューをしていったのに対して、今年度は国籍・地域・年齢・校種等の偏りを排し、具体的な分析軸に応じた対象者を選んで聞き取りを行った。その結果、19人に聞き取りをした(外国籍(ルーツ)教員15人、アイヌ出身教員1人、関係者3人)。地域としては三重県や福岡県など近畿以外を含み、また参考データとして北海道のアイヌ出身で初めて校長になった方の話を聞くことができたことは大変貴重な成果であった。 3)としては、学会発表を2回(異文化間教育学会と日本教育行政学会)し、本研究の協力者及び関心を抱く関係者を集めた研究成果の報告&交流会を行った。特に後者については、関東から中国地方に及ぶ広範囲の地域から80人の参加者があり、本研究成果の社会的還元として大きな評価を得た。外国籍(ルーツ)教員がふだんは孤立している状況であることから、集える機会を提供したことの意義は大きい。 最後に以上のデータを分析し、任用実態や募集要項の多様性、歴史的背景、管理職登用の問題、外国籍教員のコーホート分析、教育実践の特徴、被教育経験との関係、教員文化、名のり、同僚や管理職との関係に着目した論考を執筆し、報告書としてまとめた。
|
Research Products
(5 results)