2012 Fiscal Year Research-status Report
短期大学教育の質保証のための高校短大連携教育の在り方に関する調査研究
Project/Area Number |
24653259
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | 福岡工業大学短期大学部 |
Principal Investigator |
小田 誠雄 福岡工業大学短期大学部, 情報メディア学科, 教授 (10185598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武部 幸世 精華女子短期大学, 生活科学科, 講師 (20270077)
田尻 由美子 精華女子短期大学, 幼児保育学科, 教授 (50216967)
神山 高行 東海大学福岡短期大学, 国際文化学科, 教授 (80259689)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高校短期大学連携教育 / 入学前教育 / 初年次教育 |
Research Abstract |
24年度は、連携GPの事業として行った高校―短期大学間の連携教育のアンケートによる実態調査の結果を再分析し、有効な連携授業を行っている短大を抽出、その中から数校程度の短大に対して訪問調査を行い、アンケートだけではわからない具体的な実施方法、問題点およびその対策などのデータを収集し、有効な授業形態を見出して今後我々で実施する連携教育の基礎データとする事を目的とした。 再分析は8月から10月にかけて実施し、・単位互換制度を導入している。・事業が長期(9年以上)に渡る。・明快な成果が上がっている。等の点から有効な事業を行っている34校を訪問候補校として抽出した。この中から24年度の訪問校を選んだが、計画では数校程度を2人1組で訪問することにしていたのに対して、(1)できるだけ多くの短大を訪問してデータを蓄積したい。(2)研究者同士のスケジュール調整が難しい。の2点から単独での訪問も可とし、近郊の地域に候補校が集まっている場合は、1回の調査で複数校を訪問することとした。 訪問調査は春季長期休暇中の3月中旬から下旬にかけて実施し、校数は、小田が、神奈川県湘北短期大学および静岡県常葉短期大学の2校、武部と神山は滋賀県びわこ学院短期大学部、滋賀短大および大阪府大阪国際大学短期大学部の3校、田尻は沖縄県沖縄キリスト教短期大学、群馬県育英短期大学、群馬医療福祉大学短期大学部、高崎商科大学短期大学部および東京都聖徳大学短期大学部の5校、合計10校を訪問することができた。 収集したデータの集約は訪問時期が年度末になったことから、次年度に行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、連携GPの事業として行った高校―短期大学間の連携教育のアンケートによる実態調査の結果を再分析し有効と思われる授業を実施している短大を10 校程度抽出し、詳細な情報を得るため訪問調査を実施し、有効な授業形態を見出す事を目的としていた。 アンケートの再分析は終了し、34校の訪問候補校を抽出することができた。この中には遠隔地であるために訪問調査が困難な短期大学も含まれており、全てを訪問調査するわけではない。 訪問調査という観点からは、当初計画していた5校前後という校数を、2人一組で訪問するという方針を単独ででも訪問する、また特に優れた事業を行っている短大を訪問する時は、その近郊に候補校がある場合は1回の訪問で調査を行うという方針に切り替えた事により、24年度中に5校程度としていた当初計画の倍に当たる10校の短期大学に対して訪問調査を実施することができた。また25年度においても同程度の訪問調査を行う事が可能と考えられ、この点からは当初計画を上回る成果が期待できる。 一方で研究者同士が集まって検討を進める機会が思った以上にとれず、データを集約して有効な授業形態を見出すという作業が年度内には進展しなかった。この作業は25年度に渡って行う事としており、今後この部分の遅れは25年度中に吸収でき計画全体の遅れとはならないと考えている。 このような事から、24年度の計画は「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成24年度に引き続き、有効な事業を展開している短期大学への訪問調査を実施する。当年度は1人1~3校を担当し、当年度で5~10校を訪問調査する。2年間での調査校数は合計15~20校を目標とする。当初計画では10校程度を予定していたので、より多くのデータ収集が期待できる。一方、訪問調査で得られたデータの集約が遅れており、25年度前半は、訪問調査と並行してデータの集約を急ぎたい。 また、平成25年度は、調査結果に基づいた手法を取り入れて試験的な授業を開始する予定である。高校‐短大連携授業では、高等学校の協力が欠かせないが、我々の所属校は法人内にそれぞれ附属高校を持っており、既に連携授業を始めている。この課程の中に本研究で得た知見を取り入れてゆき、標準としての授業形態の確立を目指す。特に代表者の所属校では附属高校との間に、単位互換を伴う2つのコース、資格取得のための2つのコース、高校側から委託された2つのキャリア支援コースが走っており、附属高校以外にも、いくつかの高校との連携授業を実施している。その中に、本研究の成果を組み込むことは、さほど難しくないと考えている。高校生、あるいは短大入学を直前に控えた学生に対する教育は、通常の大学生に対する教育に比べて懇切丁寧に行う必要のあることは、既に知見として得ているので、必要に応じて、高校生に対応した教材開発を進めてゆく(高短連携に関しては、小田、田尻、武部が、入学前・初年次に関しては神山が担当する)。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該研究費は、訪問調査の2人1組で訪問に当たるという方針を変更し単独でも訪問する事にしたため、目的の訪問校数を減らすことなく旅費を減らす事が出来て生じたものである。 平成25年度は当初予定していた訪問調査のための旅費650千円に、この研究費を加えた991千円を訪問調査のための旅費として計画している。24年度に採った方針変更で25年度も旅費の圧縮が期待できるが、その分旅費の多く発生する遠隔地の短期大学への訪問調査を実施してゆく。また24年度は訪問候補校が比較的集中している地域への訪問を重点的に行ったため多くの旅費を節減できたが、25年度は1回の訪問での訪問校を複数にすることが難しくなるため旅費の圧縮はあまり期待できない。 このような事から、訪問する短期大学の校数を24年度と同程度の5~10校程度と当初計画から大幅に増やし、遠隔地や他に候補校の無い地域の短期大学を訪問したとしても、当該研究費で賄えると考えられる。
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