2013 Fiscal Year Annual Research Report
数学科授業の国際比較研究に基づく教授学的記述用語の開発
Project/Area Number |
24653266
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
清水 美憲 筑波大学, 人間系, 教授 (90226259)
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Keywords | 授業 / 教授・学習過程 / 国際比較 / 算数・数学 / 教授用語 / ビデオ研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は,数学科授業において観察される教授・学習行動を記述するために異なる文化的・社会的背景の下で用いられる教授学的用語を比較文化的に研究することによって,授業という複雑な事象を新しい観点からとらえてその特質に関する新たな知見を提供するとともに,わが国における固有の授業論とその成り立ちを支える教授学概念,及びそれらの意義を明らかにすることである。 本研究では,授業において観察される教授・学習行動を,教師や研究者がどのように記述するかを分析し,その作業を通して,わが国における固有の授業論とその成り立ちを支える教授学概念を顕在化することを試みた。そのために,まず,研究代表者がこれまで取り組んできた国際授業研究プロジェクト(LPS)で収録された,ドイツ,スウェーデン,チェコ共和国,香港,オーストラリアからそれぞれ連立方程式の授業データおよび,そのそれぞれの国の研究者による分析結果を精査し,教授行動についての用語と関連概念の有無についての検討を行った。例えば,わが国の授業研究会等で用いられる「発問」「練り上げ」「自力解決」などの用語に対応する教授行動の記述用語は他国のは存在しないことが多く,関連する用語も異なる意味で用いられていることが明らかになった。 このうち,特に教師の「発問」の教授・学習過程での実際の機能を,日独両国の樹魚から分析し,授業のエピソードレベル,発話レベルで同一にみえる発問の持つ意味が,教授学習過程において異なること,またこの用語に教師が付与する意味が異なっていることが明らかになった。このことは,英語のQuestioning に対応する教授学的用語が,日本固有の授業論根ざす特有の意味を有することを示唆していることが確認された。
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Research Products
(11 results)
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[Book] Abstracts of The First Sourcebook on Asian Research in Mathematics Education: China, Korea, Singapore, Japan, Malaysia and India.2013
Author(s)
B. Sriraman, J. Cai, K-H. Lee, L. Fan, Y. Shimizu, C.S. Lim, K. Subramaniam
Total Pages
1120
Publisher
Information Age Publishing
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