2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24653268
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
小倉 康 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (50224192)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 小学校教員 / 苦手意識 / 理科指導 / モデル開発 / OJT |
Outline of Annual Research Achievements |
小学校教員の理科への苦手意識を解消させるプロセスの解明とモデルプログラムの開発を目的とした。まず苦手意識の解消過程について、現職教員を対象に運勢ライン法を適用した調査を行い、若手教員に多く見られる苦手意識の主たる原因が、教材に関する知識・技能の不足にあることと、授業の成功体験につながる指導法に関する知識・技能の不足にあることがわかった。そこで、不足している知識・技能を明らかにして利用可能にすることで、現職教員がOJTで授業実践を通じて苦手意識を克服するためのモデルを開発することとした。 主たる手順は、特定の単元の中心場面で、1.教材と指導法で必要な知識・技能を明らかにする、2.教授前の知識・技能の準備度(レディネス)を診断するツールを開発する、3.観察実験を含めて不足している知識・技能を補いつつ授業が設計できるツールを開発する、4.授業後に実践を自己診断し改善の示唆を得るツールを開発する、である。そして、これらを研修用のモデルプログラムとして「苦手意識解消ツールボックス」にまとめた。 研究期間に、小学校理科の14単元でモデルプログラムを開発した。開発したツールの概要は、1.「教授レディネスの分析ツール」は、現職教員が授業前の準備度を自己診断するツールで、学習目標、教材、教授学習法、評価法の4側面のチェックリストで構成されている。2.「教材分析ツール」は、観察実験の知識・技能を補うための手順書、ワークシート、教材で構成されている。3.「授業設計ツール」は、成功する理科授業の観点を踏まえた理科授業を成功させる手続きとして、(1)学習目標の設定、(2)授業展開の設計、(3)指導と評価の一体化の3ステップで授業を設計するためのガイドである。そして4.「授業実践の診断ツール」は、授業実践後に授業をふり返り、成功する理科授業の観点の実現度を診断し改善の示唆を得るためのガイドである。
|