2014 Fiscal Year Annual Research Report
活字メディアの活用実態・可能性と読者の社会認識形成に関する実証的研究
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24653281
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田口 紘子 鹿児島大学, 教育学部, 准教授 (10551707)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 新聞 / NIE / 質問紙 / 活字メディア |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度まで調査の結果をふまえ再び調査を行うことができた。本年度も小学6年生、中学2年生、高校2年生、大学生という幅広い学校種の児童・生徒・学生に対して質問紙調査を行った。昨年度の調査結果の一部については2014年12月の日本NIE学会全国大会(東北福祉大学)で報告するとともに、その内容を論文にし、日本NIE学会誌へ投稿、掲載が決定し、現在印刷中である。また本年度の調査結果の一部についても2014年12月20日鹿児島大学教育学部で行われた公開講座にて報告を行った。本年度分の調査結果についても、より詳細に分析し、2015年12月5,6日に予定されている日本NIE学会(奈良大学)にて発表するつもりである。 昨年度は記事内容をより詳しく知るためにはどのような事実を調べる必要があるか、そしてその理由について尋ねることで、「記事に書かれた事実」について挙げる場合と「記事に書かれていない事実」も想起して挙げる場合があり、学校段階が上がるほど後者のような回答が増えるが、小学生でも可能な場合もあり、社会認識を広げる「反省」や「対抗」のような活字メディアの利用を可能にする要因として、普段の新聞利用や学校での新聞活用方法に着目するという手がかりが得られた。 そこで本年度は、昨年度と同様に記事内容をより詳しく知るためにはどのような事実を調べる必要があるか、そしてその理由を尋ねるだけでなく、新聞記事を使う活動を行う時間・場所を尋ねる項目を追加した。大項目としては「聞く」「見る・読む」「話す(ラインも含む)」「書く」「使う」の5項目、その下位に合計12項目の活動を設定し、「行っていない」「授業で」「家庭で」「その他」を回答してもらうものである。調べる事実とその理由を多く挙げた児童・生徒の学校では、記事比較の活動など家庭では行いにくい意図的な新聞活用を行っていることを質問紙と聞き取り調査の両方で確認した。
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