2012 Fiscal Year Research-status Report
学級を落ち着かせるための姿勢保持筋活性化体操の開発と効果検証
Project/Area Number |
24653283
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
小林 隆司 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (70337989)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 姿勢 / 落ち着き / 学級 / 体操 |
Research Abstract |
目的1:作業療法士(研究代表者)と水泳日本代表トレーナー(連携研究者)が協働して、小学生でも簡単にできる姿勢保持筋活性化体操のプロトタイプを作成する。 普通小学校に介入実績のある作業療法士(研究代表者)と水泳日本代表トレーナー(連携研究者・理学療法士)に加えて、特別支援学校で介入実績のある作業療法士(連携研究者)がディスカッションをして、まず体操の基本構造(時間・運動強度・ターゲットになる筋・姿勢)についてコンセンサスを形成した。その基本構造に基づいて体操ののプロトタイプを作成した。 目的2:実際にそれを実施し、慎重な修正を加えた上で、姿勢保持筋活性化体操完成版とする。 プロトタイプの体操をまずは大学生被験者に実施してみて、授業中のOFFタスク行動と姿勢の崩れについて、タイムサンプリング手法を用いて検討した。その結果、体操後10分程度は、落ち着きのある態度が維持できることが実証された。結果に基づき、体操を更に数種類作成した。 本年度研究によって、クラスで役に立つ、姿勢保持筋活性化体操が一応の完成をみたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の大きな目的は、姿勢保持筋を活性化させる体操を開発し、児童の他動や離席に対する効果を検証することである。その中で、作業療法士とオリンピック選手のトレーナーが協働することによって、姿勢保持筋活性化体操を作成することが1年目の達成課題であった。 我々は、数回のディスカッション、メールのやりとり、学生被験者への体操実施を通して、有効性のある体操を数種類提案することができた。また、この知見を、国際学会にエントリーすることで国際的に公表する機会をえた。 これらのことより、おおむね順調に研究が進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の目的は、姿勢保持筋活性化体操DVDの作成と効果検証・公表である。 具体的には、まず、24年度の成果をもとにDVD制作を専門業者に依頼する。小学生が簡単に取り組めるものとする。楽しんで取り組めるように、音楽に合わせておこなうものがいいと考えている。 体操介入と効果検討では、教室単位での介入研究を実施する。まず、教室の後ろから観察して、多動・離席の頻度をサンプリングし、ベースラインとする。できれば普通学級と特別支援学級でデータを収集する。介入しない教室でもデータを収集する。週1回同一時間の授業でデータを取り4週で4回分のデータを収集する。介入は4週とし、介入期にも4回分のデータが収集できる。介入後も介入前と同じように4回のデータを収集する。 研究成果の公表として、国際学会で発表する。また、研究で得た体操のコンテンツを積極的にインターネットに公表することとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究協力者とのミーティングを遠隔コミュニケーション技術を活用することによって効率よく実施したため、予算にあまりが生じた。しかしながら、体操作成に関しては、更に濃いコミュニケーションが必要であり、次年度は予算どおりの支出が必要になると考えられる。また、次年度はヨーロッパの学会で発表する機会を得たため、国際学会旅費が隣国よりもかさむと考えられる。 その他、次年度はDVD作製が必要となってくるが、この費用が支出の大きい部分を占めると考えられる。また、対象児に対する介入研究では、謝礼金が必要になってくる。
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