2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24654002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
都築 暢夫 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10253048)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 数論幾何学 / カラビ・ヤウ多様体族 / 超幾何関数 / 保型性 / 退化族 / 国際研究者交流(イタリア) |
Outline of Annual Research Achievements |
25年度までの研究で、Z[1/2]上の射影直線から3点0, 1, ∞を除いた数論的多様体の上の、高次超幾何関数F_n(1/2,・・・, 1/2; 1, ・・・, 1;λ)を周期積分に持つZ[1/2]上のCalabi-Yau多様体族を構成し、Betti, de Rham, エタール, p進の各実現に対して、その相対コホモロジーを決定していた(連携研究者の山内卓也氏との共同プロジェクト)。26年度の研究では、この族に対して以下の結果を得た。 (1) λ=1の退化ファイバーの様子、特に、nが4以下の偶数のときの半安定族の構成 λ=1の退化ファイバーの様子を具体的に調べ、nが4以下の偶数のときの半安定族を構成した。λ=1の退化ファイバーにはnが4以上ではもはやCalabi-Yauではないが、それに近い代数多様体が既約成分の中にあることが示せる。今後は、この多様体のゼータ関数を、保型形式を用いて具体的に書くことが課題である。 (2) 2進族の考察、2進族のgenericなモデルの具体的な構成 genericな方程式は決定できるが、その滑らかなコンパクト化の構成は今後の課題として残った。また、2次元の場合はコンパクト化を具体的に構成することができる。応用として、ある代数体の素点上で至る所良い還元を持つK3曲面が具体的に構成できる。 数論幾何学の国際研究集会"Workshop of arithmetic geometry in Tohoku"を10月30, 31日に東北大学にて開催した。この科研費のサポートでパドバ大学(イタリア)のBruno Chiarellotto教授を招へいして研究連絡し、幾何学的起源を持つ数論的な微分加群の各点の周りの形式解のTaylor係数の整数性について議論したことはこの研究にとって有益であった。
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Research Products
(8 results)