2012 Fiscal Year Research-status Report
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24654004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
落合 理 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90372606)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | CM体の岩澤主予想 / 肥田理論 / ヒルベルトモジュラー形式 / Coleman写像 |
Research Abstract |
今年度は, ガロア変形に対するColeman-PerrinRiou写像と呼ばれる写像を構成するための研究と虚数乗法をもつヒルベルトモジュラー形式の岩澤主予想の研究で大きな進展があった. 前者の研究は, 私自身が発表した以前の発表論文 “A generalization of the Coleman map for Hida deformation”(American Jour. of Math., 2003) で得られていた ordinary かつ階数 2 という仮定の下でのガロア表現の Bloch-加藤の指数写像の補間をnonordinaryへと一般化したものである. Filippo Nuccio氏との共同研究で上記論文の結果を階数は 2 で non-ordinary Coleman family へと一 般化することを目指した. 一年の間に様々な細かい技術的な障害に遭遇してその都度ひとつひとつ地道にクリアしてきた. 以前のPerrin-Riouの仕事等でも若干あいまいに済まされていたDistribution algebraのintegral structureやColeman familyの精密な記述などに気をつけながらdual exponential mapを補間するほぼ欲しい結果を得つつある. 現在, それらをまとめて論文に仕上げる最終段階である. 後者の研究は, 以前に虚数乗法を持つ楕円モジュラー形式の場合にPrasanna氏と重なっていた研究をヒルベルトモジュラーの場合に一般化するものであり, 原隆氏との共同研究である. 特にCM体のSelmer群の擬零部分群の非存在やCM体のp進L函数に現れる様々な項のモジュラー形式的な解釈などで正確な理解が得られ欲しい岩澤主予想の結果がほぼ得られつつある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的の欄に記した下元数馬氏との共同研究に関しては, 若干の理解の深化はあったが大きな進歩はなかった. 第一論文は完成し投稿中であるが, 第二論文は完全に終わらせることができなかった. 一方で, 原隆氏との研究においては少しずつではあるが進歩が進み, 特に論文としての執筆がかなり進行した. 計画に置けるCMをもつヒルベルトモジュラー形式の円分変形の岩澤主予想を取り扱う第一論文はかなりの部分が書き上がりつつある. 肥田変形がからむ第二論文はまだ執筆に着手していないが概ね順調に研究が進んでいると見なしてよいのではないかと思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
原氏との共同研究においてはまず, 円分変形における岩澤主予想の細部までを書き下し第一論文を投稿したい. その上で肥田変形が絡むようなCMヒルベルト野ジュラー形式の変数の大きな変形においても岩澤主予想を確立したい. 下元氏との共同研究においては, 混標数の可換環論の基礎研究である第一論文を応用して, 特異点をもつ変形空間におけるEuler系の理論を確立する第二論文の研究を完成させたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Euler系, p進表現の理論, Hilbert modular形式に関連した研究書籍の購入などの消耗品, 下元氏との共同研究のための研究打ち合わせ, 上述のテーマに関する研究集会に参加および研究発表を行うための出張旅費を計上したい.
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