2013 Fiscal Year Research-status Report
直積多様体の理想境界に関する幾何解析と調和写像・アインシュタイン計量の研究
Project/Area Number |
24654009
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
芥川 一雄 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (80192920)
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Keywords | 調和写像 / アインシュタイン計量 / 理想境界 / 直積多様体 / 幾何解析 |
Research Abstract |
平成25年度における「研究の目的」は,調和写像およびポアンカレ・アインシュタイン計量, 特に双曲空間の直積から双曲空間への調和写像の存在問題の研究であった.そのため, 定義域の直積空間の無限遠理想境界の幾何解析的な研究を主に行った.また, この研究テーマの専門家である海外連携研究者のRafe Mazzeo氏との頻繁な研究連絡も行ったが, 残念ながら, 今年度は具体的な成果は得られなかった. 同時に, 新連携研究者の松本佳彦氏とは漸近的双曲的空間の間の調和写像の存在問題の研究も行った. これに関しては若干の成果を得たが,完成を目指して現在も研究継続中である. 連携研究者の相山礼子氏とは,本研究課題に関係して,2次元複素空間内の極小ラグランジアン曲面,5次元ハイゼンベルグ群H内の極小ルジャンドリアン曲面,および曲面の平均曲率流の研究を行った.特にH内の極小ルジャンドリアン曲面に関しては,3次元の極小曲面の場合と同様の,正則データによる 表現公式を得た.この研究も現在進行中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
双曲空間の直積の無限遠理想境界の解析的構造を調和写像と言う非線形かつ幾何解析的な対象に適応するには, いくつかの困難があり,それらを一つ一つ克服し成果を得るにはもう少し時間がかかる.また, 身近で研究連絡を頻繁に行える幾何解析の専門家の不在も大きかった.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度経験を踏まえ,平成26年度はこの分野の専門家である松本佳彦氏(東工大・学振PD)と集中的な議論の上,本研究テーマの研究達成を推進する.また, 彼と共に国内外の研究集会への参加を行い,国内外の専門家との積極的な研究連絡を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者芥川の海外出張時における先方機関による滞在費(宿泊費・食費費)の支給,および国内出張のキャンセルなどにより,次年度への繰越・約230,000円が生じた. 平成26年度は,新連携研究者の松本佳彦氏(東工大・学振PD)等と共に,本研究テーマの国内外の関連研究者と頻繁に研究連絡を行う.研究費は,主にそのための国内・国外旅費として使用する予定である.
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