2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24654030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
伊藤 聡 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 教授 (50232442)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 凸最適化 / 測度空間 / 確率測度 / 無限計画 / 半無限計画 / モーメント問題 / 通信路容量 / 相互情報量 |
Research Abstract |
無限次元の最適化問題は、ほぼ一般性を失うことなく適当な測度の空間上の最適化問題とみなすことができ、また測度は一般に絶対連続な成分と離散的な成分に分解することができる。本研究においては、コンパクトもしくは非コンパクトな空間上の符号つき正則ボレル測度からなるバナッハ空間を考え、この空間において定義される凸最適化問題がどのような状況のときに離散測度を最適解として持つのか、また逆にどのような状況のもとで絶対連続測度が最適解となるのかを明らかにすることを目的としている。 初年度となる平成24年度は、まずコンパクト空間上の測度空間における凸最適化について考察した。これはデータの取り得る値が有限である場合の凸最適化であり、情報理論における基本問題の一つである通信路容量の言葉で言えばピークパワー制約がある状況に相当する。この場合について、無限次元における数理最適化の立場から、最適解の測度としての性質、特に局所的に半無限計画と等価になる状況などについて調べた。通信路容量問題への応用については、Kullback-Leibler情報量のように目的関数が非線形の場合への接続が完全でないため、本研究の目標の一つである複素関数論によらない理論の構築までには至っていないが、非コンパクト空間上の測度空間の場合とも合わせ、次年度も引き続き研究を進めていく。また、平成24年度は最適制御問題や数値解法との関連についても考察し、結果の一部は学会・研究会等で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
通信路容量問題への応用について、目的関数が非線形の場合への接続が完全でないため、目標の一つとしていた複素関数論によらない理論の構築までには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では一般の通信路を対象として25年度以降の適当な時期より非コンパクト空間上の測度空間における凸最適化に対する研究に移行するとしていたが、これを前倒ししコンパクト空間上での非線形凸最適化と同時に研究を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は研究の進展状況により予定していた旅費の使用を控えたが、平成25年度請求分と合わせて海外共同研究者との打合せを予定している。その他は当初の計画通り。
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