2012 Fiscal Year Research-status Report
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24654034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 仲夫 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30173016)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シュレデンガー方程式系 / クラインーゴルドン方程式系 / 分散型波動方程式 / 臨界べき非線形項 / 共鳴現象 / 漸近的振舞い / 修正波動作用素 / 時間減衰評価 |
Research Abstract |
1.2次元2次の非線形項を持った非線形シュレデンガー方程式系の解の漸近的振舞いについて研究を行い修正波動作用素の存在及び解の時間減衰評価を求めた。対象とする方程式は線形部分と非線形項が共鳴現象を引き起こすもので臨界べき問題と呼ばれるものである。単独方程式の場合は解の振舞いが単独常微分方程式により決定されることを示し、この常微分方程式を解くことによって解の漸近的振舞いが得られる。しかし連立系の場合はこの常微分方程式系の解の漸近的振舞いを求めることが困難でる。我々は問題とする方程式の特解をいくつか求めることにより解の振舞いを明確にした。この結果は国際誌Communications in Partial Differential Equations,37(2012),pp.947-968に掲載されている。 2.臨界べき非線形シュレデンガー方程式系の形に書き直すことができる臨界べき非線形分散型波動方程式の解の振舞いについて研究を行い、線形方程式の近くに非線形問題の解見つけることは出来ないことを示した。一般に共鳴現象を引き起こす問題は解に非線形項の影響が表れるもので線形の解に漸近しないと予想されている。従来の研究方法は解の有限伝播性を用いたもので、有限伝播性を持たない分散型波動方程式には応用できない。そこで我々はシュレデンガー方程式の解の性質を精密に調べ、線形解の下からの評価を求めることによりこの困難を克服した。この結果は国際誌Electron. J. Diff. Equ.,2012(2012),pp.1-14に掲載されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非線形シュレデンガー方程式系、この方程式に関連した非線形分散型波動方程式に関する研究成果はすでに国際誌に掲載されている。
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Strategy for Future Research Activity |
海外共同研究者P.I.Naumkin及び国内研究者との共同研究を行い量子力学の研究で用いられるクライン・ゴルドン方程式系(シュレデンガー方程式系の相対論版)、あるいは未解決問題であるKadomtsev-Petviashvili 方程式の解の漸近的振舞いの研究を当該分野で開発された方法を用いて行う。また流体現象を記述する非線形分散型方程式の研究を継続して行い、方程式系の解の振舞いを明確にする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度は8件(うち海外1件)の口頭発表を行い成果の発信と意見交換による研究の進展に努めてきた。今年度も研究打ち合わせのための旅費及び成果発表のための旅費に県研究費を用いる。
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Research Products
(15 results)