2013 Fiscal Year Research-status Report
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24654042
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松井 卓 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (50199733)
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Keywords | 量子スピン系 / エンタングルメント・エントロピー / 行列積状態 / PEP状態 |
Research Abstract |
昨年度までの研究で1次元格子上の量子スピン系の並進不変純粋状態では、エンタングルメント・エントロピーの面積則が成立すると右無限と左無限部分系の間にsplit性と呼ばれる統計的独立性が成立することが明らかになったが、高次元で類似の関係が成り立つかどうか研究を続けている。一次元系の場合は状態のsplit性が成立するとCuntz代数のI型表現が自然に定まり、その表現から元のスピン系の状態を一般化された行列積として表示することが出来るので、高次元系においてもスピン系の状態を何らかの意味で一般化された行列積状態として表されることが期待される。高次元系への行列積状態の拡張としてProjected Entangled Pair状態(PEP状態)がある。2次元格子上の量子スピン系の並進不変状態の場合、GNS表現空間に作用する2つのCuntz代数の組を使いPEP状態に類似の表示を作ることが出来ることが分かった。ここで登場する2つのCuntz代数同士ではcanonical endomorphismが可換であるが元は可換ではない。2次元系の場合は上手くCuntz代数の生成元を取ると元の順序交換でphase factor分の差が出る簡単な関係式で表される。 我々の表示は有限系の周期的状態のPEP的な表示の自然な拡張である。 一方、行列積表示の研究をボーズ粒子系へ発展させるためにBuchholz-Grundingによるresolvent代数でのハイゼンベルク時間発展の存在の研究も開始した。局所的にフォック表現に対して正規的である表現を取れば調和振動子に無限遠で減衰する二体相互作用を摂動的に加えてもLieb-Robinson評価等は成立することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高次元系でのエンタングルメント・エントロピーとCuntz代数の表現の関係を見つけられていない。現在、これまでの研究の成果を織り込んだ本を書いており、その原稿作成に研究時間を使っている。(今年中に出版予定)
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Strategy for Future Research Activity |
高次元系でのエンタングルメント・エントロピーとCuntz代数の表現の関係を具体例で調べる。(例えば古典スピン系のギブス測度の量子純粋状態拡張) ハミルトニアンが非調和振動子の場合のresolvent代数のハイゼンベルク時間発展の存在の証明を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
申請額より減額されたので最終年度の研究発表の旅費に使いたい。 旅費および数学図書の購入
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