2013 Fiscal Year Research-status Report
反応拡散方程式系におけるアトラクタの崩壊と遷移過程の新しい理論の確立
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24654044
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
森田 善久 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10192783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 香奈子 茨城大学, 理学部, 准教授 (10451519)
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Keywords | 無限次元力学系 / 保存則のある反応拡散系 / 大域的アトラクタ / パターン形成 |
Research Abstract |
代表者の森田は保存則のある反応拡散方程式系を中心に研究を進めた。あるクラスの方程式系については、リャプノフ関数の存在や、平衡解の周りでの定性的な解の挙動を決定づける不安定固有値の次元について一般的な定理を確立することができ、今後の研究を発展させていくのに重要な成果になると期待できる。また、大域的アトラクタを崩壊させるような摂動問題について研究を進めている過程で、単純に崩壊を引き起こす摂動を与えるのでなく、複雑な時間的挙動を生み出す摂動のメカニズムについてのアイデアが生まれた。このアイデアを発展させれば崩壊過程についても新たな知見が得られることが期待できる。そこでこの方向の研究についても新たに始めることにした。 一方、分担者の鈴木は新しいタイプの反応拡散系の解に関する結果を得て論文として投稿中である。この成果は解構造に関する新たな知見を与えるもので、大域的アトラクタの構造に関する興味ある問題を提起している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年度は、いくつかの具体的な成果が論文の形でまとまり、雑誌に投稿中である。研究目的にある大域的アトラクタの崩壊過程についての研究をさらに発展させていく必要があるが、それについてもかなり構想が煮詰まってきているので、おおむね順調に進展しているといってよいであろう。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに得られたアイデアを、新しく分担者として参加してもらう桑村雅隆氏と発展させ、これまでの成果の上に目標の問題について研究を進めていく予定である。また、数値計算を有効に活用して、その研究の方向性に間違いがないかを検証しながら進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に開催される2件の国際研究集会に招待されており、その集会は研究課題に関する成果の発表ならびに、研究推進に大いに役立つと思われる最前線の研究情報が得られることが期待できる集会なので、そのための費用を確保するためである。 国際研究集会に参加・発表するための費用に充てる。
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