2014 Fiscal Year Annual Research Report
最新広視野観測装置による近傍渦巻銀河周辺部における星生成領域探査
Project/Area Number |
24654046
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
西浦 慎悟 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (50372454)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 系外銀河 / 星生成領域 / 狭帯域撮像観測 / 広視野撮像観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、超広視野撮像観測装置に大型狭帯域フィルターを装填することで、近傍渦巻銀河とその周辺領域にも存在が期待されるHII領域の探索を行う。幾つもの渦巻銀河に関する、これら観測データから、系外銀河HII領域の統計的性質や親銀河の諸性質との関連性を再調査することで、一般的な星生成パラダイムの検証を試みる。 超広視野観測装置としては、東京大学天文学教育研究センター木曽観測所の105cmシュミット望遠鏡とKiso wide-field camera (=KWFC)を使用し、大型狭帯域フィルターは、本基金によって作成したN6590(電離水素起源のHα輝線に対応)とN5013(電離酸素起源の[OIII]λλ4959,5007輝線に対応)を使用した。 最終年度である昨年度は、2015年3月末までに6個の近傍渦巻銀河領域に対する、総積分時間90-120分のN6590画像と総積分時間120-180分のN5013画像と、総積分時間12-15分の広帯域B、V、 SDSS-g、r、i画像を得ることができた。これらの多くは2014年末以降に得られたものであり、殆どが未解析状態であり、今後も継続的に解析を進める。 本研究には、連続光画像に相当する狭帯域フィルターを用意できないという問題点があり、複数の広帯域画像からこれを作成する必要があった。これに関して、近傍渦巻銀河M100の広帯域SDSS-rとSDSS-i画像を内挿することでN6590画像用の連続光画像を作成し、M100領域のHα輝線画像を作成、これからHII領域を検出し、そのHα輝線光度分布を導出することに成功した。 また、初年度から開発を進めていた画像解析スクリプトを、Image Reduction and Analysis Facility (=IRAF)をインストールした任意のUnix系OSの下で、より高い汎用性で動作させる形にできた。
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