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2012 Fiscal Year Research-status Report

太陽観測に向けた超高精度X線ミラーの開発

Research Project

Project/Area Number 24654053
Research InstitutionJapan Aerospace Exploration Agency

Principal Investigator

坂尾 太郎  独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (00225781)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords太陽X線物理学 / 超精密計測 / 量子ビーム / 精密研磨 / 宇宙科学
Research Abstract

将来のスペース太陽観測に必須となる、サブ秒角分解能を持つWolter X線ミラーを、(1)コヒーレントX線を用いた精密形状計測、(2)精密コントロールされた金属コーティングによる形状補正と最終表面創成、という全く新しいアプローチによって実現することをめざし、そのための基幹技術を2年間をかけて獲得する。そのためWolter Iミラーの試験ピースを製作し、実際にSPring-8シンクロトロン放射光を用いて表面形状の計測を行ない、これまでに1次元集光ミラー(Kirkpatrick-Baezミラー)で確立した形状測定技術を回転体表面をもつWolter Iミラー測定に適用し、計測能力を検証する。
本年度は、試作ミラーの表面形状のパラメータを決定し、また、SPring-8のX線ビームに対してミラーのアライメントを取るのに必要な、ミラーピース上の切り欠き構造などを、阪大グループと協力して決定した。一方、SPring-8で確実なX線計測成果を出すのに必要な、試作ミラー表面の加工残差に対する条件を検討し、テストピースに対する研磨試行を行なうことで、研磨条件決定のためのデータを得た(これの内容は、「現在までの達成度」の項を参照)。これにより、次年度に試作ミラーの製作およびSPring-8でのX線計測を行なう上での準備を整えた。
なお、当科研費は、試作ミラーの製作に充当するものであるため、本年度は当科研費(直接経費)の執行はなく、全額を次年度に使用する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度、SPring-8でのX線放射光での計測に用いる試作ミラーの製作検討に並行して、X線計測手法の見直しと具体化、ならびに計測を行なう上で必要なミラー表面の加工残差の検討を進めた。その結果、(a) 形状誤差として10 nm rms程度の精度を持つこと、かつ、(b) 形状誤差(加工残差)が短周期(5 mm程度)の周期成分を持たないこと、が、初回のX線計測で確実に計測成果を出す上で必要であることが判明した。
そのため、試作ミラーの研磨を行なう前に、特に(b)のための条件出し(研磨機ヘッドの回転数や送り速度の最適条件出し)のため、当科研費とは別経費で、平面テストピースに対する研磨試行を行ない、加工表面残差のデータを得た。この条件出し作業が入ったため、当科研費を用いた試作ミラーの製作およびSPring-8でのX線計測は次年度に行なうこととした。

Strategy for Future Research Activity

本年度に得た、異なる研磨条件に対する加工表面残差のデータを吟味し、試作ミラーに適用する研磨条件を決定し、試作ミラーの製作(研磨加工と金属コーティング)を行なう。これをSPring-8 BL29-XULのコヒーレントX線を用いた計測に供し、表面形状を測定する。得られた形状測定結果と、ミラー製作時の測定結果を対比し、整合性を確認し、X線形状計測性の評価と改良点の洗い出しを行なう。
また、確認した形状誤差から、形状補正に必要なコーティング厚プロファイルを決定する。この補正プロファイルのコーティング可能性を、蒸着装置(キヤノンを想定)の性能を踏まえて評価する。
これらの計測・検討によって、要素技術を押さえ、将来の衛星搭載に向けた、超高精度X線ミラー製造手法の基盤を確立する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本年度執行しなかった研究費(直接経費)は、次年度の試作ミラーの製作に投入する。また、次年度経費と合わせ余裕があれば、形状補正のためのコーティングを実施する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012

All Journal Article (1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] The X-ray/EUV telescope for the Solar-C mission: Science and development activities2012

    • Author(s)
      Sakao, T., Narukage, N., Imada, S., Suematsu, Y., Shimojo, M., Tsuneta, S., DeLuca, E. E., Watanabe, K., and Ishikawa, S.
    • Journal Title

      Proc. SPIE

      Volume: 8443 Pages: 84430A (11pp)

    • DOI

      10.1117/12.926850

  • [Presentation] Solar-C搭載X線望遠鏡の検討状況(IV)2013

    • Author(s)
      坂尾太郎、成影典之、渡邉恭子、下条圭美、末松芳法、石川真之介、常田佐久、今田晋亮、E. E. DeLuca (Harvard-CfA)、ほかSolar-C WG
    • Organizer
      日本天文学会2013年春季年会
    • Place of Presentation
      埼玉大学
    • Year and Date
      20130320-20130323
  • [Presentation] SOLAR-C X線/EUV望遠鏡の検討状況2013

    • Author(s)
      坂尾太郎, 成影典之, 渡遺恭子, 末松芳法, 下条圭美, 石川真之介, 常回佐久, 今回晋亮, E. E. DeLuca, ほかSOLAR-C X線望遠鏡検討グループ
    • Organizer
      第13回宇宙科学シンポジウム
    • URL

      http://www.isas.jaxa.jp/j/researchers/symp/sss13/paper/P2-147.pdf

    • Place of Presentation
      JAXA宇宙科学研究所
    • Year and Date
      20130108-09
  • [Presentation] Solar-C搭載X線望遠鏡の検討状況(III)2012

    • Author(s)
      坂尾太郎、成影典之、渡邉恭子、末松芳法、今田晋亮、下条圭美、石川真之介、常田佐久、E. E. DeLuca、ほかSolar-C WG
    • Organizer
      日本天文学会2012年秋季年会
    • Place of Presentation
      大分大学
    • Year and Date
      20120919-20120921

URL: 

Published: 2014-07-24  

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