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2012 Fiscal Year Research-status Report

飛行時間を使ったニュートリノの質量絶対値に関する直接測定

Research Project

Project/Area Number 24654077
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionHigh Energy Accelerator Research Organization

Principal Investigator

丸山 和純  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (80375401)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsニュートリノ / 絶対質量 / 飛行時間測定 / 国際情報交換、米国、欧州
Research Abstract

本研究では、茨城県東海村-岐阜県神岡町間のニュートリノ飛行時間にエネルギー依存性が生じるかどうかを見ることによって絶対質量を探索する。飛行時間の絶対値は必要なく、事象ごとの飛行時間相対値の差のみが必要であるから、飛行時間測定の安定性が非常に重要となる。
平成24年度は当初の予定どおり、T2K実験において飛行時間を測定する機器の安定性について測定・解析を行った。ニュートリノビームを生成する時間を測定する陽子ビームモニター群、ミューオンモニター、また、東海側と神岡側の同時刻性を保証するGPS関連機器、加えて、スーパー神岡検出器の安定性について測定・解析を行った。
このうち、特に東海側の陽子ビームモニターに関しては、短期・長期(1年以上)の安定性を5ns(ns; ナノ秒、10の-9乗秒)以内まで抑えることに成功した。これは、全ての機器について入念な理解・較正が必要であるから、画期的な値である。現在、GPSの安定性についても調査が進んでおり、短期的には10~20ns、長期的には100ns程度の安定性があり、現在補正することで、これらの値をどこまで絞りこめるか検討中である。スーパー神岡検出器においては、非常に高い安定性で東海で生成されたニュートリノ事象を検出し続けている。
これらの結果を基に、GPS関連の測定を更に良く理解し、不安定性を抑え込むことが、本研究の目的であるニュートリノの絶対質量の上限という物理結果を出すのに非常に重要であることが明らかなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初に計画していた測定や較正をほぼ着実にこなしている。また、これらの測定から、物理結果を引き出すことも、ほぼ計画どおり平成25年度には行える可能性が高い。加えて、現在までに行った測定を基に、何をどう更に改良できるか議論できる状態になっており、改良への道筋を立てた。

Strategy for Future Research Activity

ここまでの安定性測定を基に、ニュートリノ絶対質量探索に関する結果を出し、その手法等も含め学会等で発表する。本研究では、ミュー型のニュートリノにMeV程度の質量があれば、特殊相対性理論からエネルギーの関数として飛行時間に差が出ることに注目し、上限を出す。現在までミュー型ニュートリノの質量絶対値の上限を決めているπ中間子の2体崩壊を使う方法と近い値(約200keV)まで質量を探索できるのではないかと期待している。
また、今後の改良をどのように行っていくべきかも、現在までの測定を基に議論していく。GPSの測定に関しては、専門性の高い分野であるため、積極的に専門家の助言等ももらっていきたいと考えている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今年度は、高エネルギー加速器研究機構内でニュートリノを生成する、東海村J-PARCでの飛行時間に関連する機器の調整・調査、解析を主な仕事としたため、物品費と旅費を計上したよりも少ない予算で順調に研究を進展させることができた。
次年度は解析を行って物理結果を出したり、現在までの測定に基づいて改良点を議論するため、短期的に研究補助員を雇いたいと考えている。そのための議論のために旅費も相応用意している。
現在改良しようとしているGPSの同時刻保証のシステムに関する物品のうち、最も重要な要素の1つである衛星からくる1秒おきの信号を10の7乗個に細分化するルビジウム原子時計の安定性のモニターシステムを構築するための物品費も計上する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 2012

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] The T2K Neutrino Flux Prediction2013

    • Author(s)
      K.Abe, T.Maruyama 他T2Kコラボレーション
    • Journal Title

      Physical Review D

      Volume: 87 Pages: 012001

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.87.012001

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Evidence of Electron Neutrino Appearance in a Muon Neutrino Beam2013

    • Author(s)
      K.Abe, T.Maruyama 他T2Kコラボレーション
    • Journal Title

      hep-ex

      Volume: arXiv:1304.0841 Pages: 1-43

  • [Journal Article] First Muon-Neutrino Disappearance Study with an Off-Axis Beam2012

    • Author(s)
      K.Abe, T.Maruyama 他T2Kコラボレーション
    • Journal Title

      Physicsl Review D

      Volume: 85 Pages: 031103

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.85.031103

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

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