2013 Fiscal Year Annual Research Report
パラメトリックX線を利用した新しい電子ビームプロファイルモニタの開発
Project/Area Number |
24654078
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Research Institution | SAGA Light Source, Kyushu Synchrotron Light Research Center |
Principal Investigator |
高林 雄一 公益財団法人佐賀県地域産業支援センター九州シンクロトロン光研究センター, 加速器グループ, 副主任研究員 (50450953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隅谷 和嗣 公益財団法人佐賀県地域産業支援センター九州シンクロトロン光研究センター, ビームライングループ, 副主任研究員 (10416381)
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Keywords | パラメトリックX線 / 相対論的電子ビーム / 結晶 / ビームモニタ |
Research Abstract |
ビームのプロファイルは,ビームのエミッタンスや加速器の光学的関数を把握する上で重要であり,その測定は必要不可欠である.従来,リニアックの電子ビームの高精度プロファイルモニタとして,可視遷移放射(OTR)が用いられてきた.しかし最近,X線自由電子レーザー用リニアックにおいて,ビームのバンチ長が短いために,OTRがコヒーレントになり,ビームのプロファイル測定に利用できないことが判明した. コヒーレントになることを避けるには,より波長の短い光を利用する必要がある.そこで,本研究では,パラメトリックX線(PXR)の利用を提案する.PXRとは,相対論的荷電粒子が結晶に入射した際に,ブラッグ条件を満たす方向にX線が生成される現象である.本研究では,(i)近接法,(ii)ピンホール法,(iii)フレネルゾーンプレート法という3つの手法を提案する. (i)近接法では,X線検出器を光源点に接近させてPXRのプロファイルを測定し,理論計算により,そのプロファイルからビームのプロファイルを導出する. (ii)ピンホール法では,光源点とX線検出器の間にピンホールを設置し,検出器上にビームのプロファイルを再構成する. (iii)フレネルゾーンプレートとは,X線の透過帯と不透過帯が,交互に同心円状に配置されたものであり,X線用のレンズとしての働きを持つ.PXRをフレネルゾーンプレートに照射し,X線検出器上にビームのプロファイルを結像する. 本研究では,九州シンクロトロン光研究センターのリニアックからの255 MeV電子ビームを厚さ20 μmのSi結晶に入射させることにより,PXRを発生させた.2次元のX線検出器として,イメージングプレートを採用した.近接法とピンホール法に関して原理の検証実験を行い,成功した.フレネルゾーンプレート法に関しては,予備的測定を開始しており,今後も継続する予定である.
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Research Products
(2 results)