2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24654092
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
大畠 悟郎 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (10464653)
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Keywords | 量子光学 / 光物性 / 量子もつれ / 励起子分子 |
Research Abstract |
本研究では,CuClの単結晶における励起子分子共鳴ハイパーパラメトリック散乱を効率よく実現させて,そこから得られる多光子量子もつれ状態を観測することを目的としている.特に,4個以上の光子検出器を用いて光子数分解能を有した観測装置を構築することにより,多光子状態を精度よく観測すること,また,新しい散乱スキームを巧みに利用し,効率よく同軸ビームの量子もつれ光子対を発生させることが目標である. 最終年度では,ハイパーパラメトリック散乱から生成された光子対について,1光子から4光子までの光子統計を同時にかつ系統的に測定し,検出効率などを精度よく見積った上で,励起強度依存性などを,詳細に解析した.300pWから0.15mWまでの約3桁に渡る励起強度領域で発生する光子対の量子状態(光子統計)を調べることに成功した.その結果,0.1mWの励起強度領域以上では,優位に複数光子ペアが生成されていることが判明した.このような微弱な励起強度で励起子分子からの光子ペアが観測された例はこれまで無く,従来の方法と比較しても非常に高効率の光子対生成が可能である事が示せた. また,2波長2ビームの励起パルスの光学系を構築し,提案していたスキームでエネルギーが縮退した同軸ビームの量子もつれ光子対の生成に今回始めて成功した.生成した光は励起光のレイリー散乱などと比較しても優位な強度を有しており,時間相関測定の結果から確かに光子対として生成していることが確認された.生成した同軸ビームは量子干渉の実験にも直接利用可能であり,今回得られた結果は,量子光学や量子情報科学への応用に向けて大きく前進する成果である.
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[Journal Article] Observation of bound and antibound states of cavity polariton pairs in a CuCl microcavity2014
Author(s)
S. Matsuura, Y. Mitsumori, H. Kosaka, K. Edamatsu, K. Miyazaki, D. Kim, M. Nakayama, G. Oohata, H. Oka, H. Ajiki, H. Ishihara
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Journal Title
Phys. Rev. B
Volume: 89
Pages: 035317/1-6
DOI
Peer Reviewed
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