2013 Fiscal Year Annual Research Report
層状構造をもつ遷移金属オキシナイトライドの合成と新奇超伝導体の探索
Project/Area Number |
24654094
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本橋 輝樹 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00323840)
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Keywords | オキシナイトライド / 超伝導 / 層状構造 |
Research Abstract |
本研究では、複合アニオン化合物の一種であるオキシナイトライド(酸窒化物)において、層状構造をもつ新奇超伝導体を創製することを目的とした。新規機能性材料の候補として、金属酸化物と金属窒化物の中間に位置するオキシナイトライドが高い注目を集めている。この物質群では結晶中に2種類のアニオンが共存するため、金属・アニオン間結合状態を柔軟に変化させることにより物性の幅広い制御が可能である。 昨年度(平成24年度)の研究において、リチウムとニオブが層状に秩序配列したオキシナイトライド(Li0.88□0.12)Nb3.0(O0.13N0.87)4において、Tc=3Kの超伝導転移を発見した。今年度(平成25年度)は、ニオブと3d遷移金属(Ni,Mn)を含む新規オキシナイトライドの合成を試み、磁性元素を含むエキゾチック超伝導体の創出を検討した。 NbとNiを含む酸化物前駆体を800℃でアンモニア窒化すると、Niが金属として排斥されると同時に準安定相の六方晶Nb5(N,O)6が生成した。一方、NbとMnの組み合わせでは800℃で岩塩型関連構造の(Nb,Mn)4(N,O)5の単一相となった。その後1500~1800℃で熱処理すると、岩塩型(Nb,Mn)(N,O)へ相転移するとともにMnOが第二相として共存した。1800℃では大部分のMnが排斥され、岩塩型相による超伝導性も発現した。また、1800℃で熱処理したNb-Mn酸窒化物では、排斥されたMn融液により粒成長したNb酸窒化物の液相焼結が促進された。
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Research Products
(4 results)