2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24654098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
谷口 弘三 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (50323374)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 有機伝導体 / 圧力下合成 / 電気分解 |
Research Abstract |
本年度は、高圧化電界合成法の確立を目指した。大型圧力セルを製作し、そこに有機溶媒に材料物質を溶解させた溶液を封入した。その溶液に対して、まずは、0.1GPa級の圧力を印加した。通常の圧力効果実験では、オイルなどの圧力媒体をセルに封入するわけであるが、今回は、有機溶媒であるため、圧漏れなどが起こりやすい。そこで、セルの設計を見直し、圧力もれのない構造を提案し、それに基づいて、圧力セルを再構築した。新たな構造を採用したことにより、圧力漏れの問題は、首尾よく解決でき、さらに電流印加も成功し、圧力下電気分解という、おそらく世界で初めての技術を確立したと言ってよい。 まずは、第一段かいとして、ある種の有機伝導体の合成を試みたが、小さいながらも試料合成に成功した。ただし、現時点で得られた試料は、既存の物質であった。ただし、本研究の圧力下電界合成により、試料が育成できるという結果が得られたことは、大きな成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、1)これまでに前例のない高圧下電解合成法という手法を確立し、これを2)有機導体の合成に適用することによって3)新たな物質の創生を目指すものであった。さらに研究を発展させることにより、最終的には、4)常圧では得られない新規な物質の創生をめざすものである。また、当然、5)得られた物質の物性評価も、行う予定である。 以上のような目的において、本年度は、1)2)については、ほぼ達成されたといってよい。それは、現時点において、再現性のある圧力下電界合成法が確立されており、さらに、一部の有機伝導体の圧力下電界合成に成功しているからである。今後は、さまざまな系に、この手法を適用し、3)~5)の目的達成を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
技術開発においては、さまざまな試行錯誤の末、確立したわけであり、このこと自体も自然科学分野における大きな進歩であると考えられる。圧力下電気分解法というものは、筆者の知る限り、前例がないわけであるので、この時点の成果を技術的な論文にまとめたいと考えている。 次の段階は、この手法お使って、真に新規な物質を合成できるかどうかを試さなくてはならない。さまざまな溶媒や物質系に適用することにより、この目的を達成したい。その際、物質選定は、極めて重要であるので、慎重に作戦を立てて、実験を遂行したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(3 results)