2013 Fiscal Year Annual Research Report
溶液ならびに電気化学プロセスによる高温炭素系超伝導体の作製
Project/Area Number |
24654105
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
久保園 芳博 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (80221935)
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Keywords | 液体アンモニア / 電気化学 / グラファイト / グラフェン / 有機芳香族分子 / 鉄セレン系物質 / 二次元層状物質 / 超伝導体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、有機芳香族分子、グラファイト、グラフェン、フラーレンを始めとする炭素系物質への金属インターカレーションを、各種の溶媒を使った低温プロセスと、イオン液体を使う電気化学反応により遂行し、新規な超伝導体を作製することにある。25年度は、24年度に続いて液体アンモニア法によって、金属原子をピセン、グラファイトに挿入することを進めるととともに、イオン液体を使った電気化学反応によってC60ならびにピセンに金属原子を挿入し、超伝導を発現させる実験を行った。また、ピセンやグラファイトと同様に二次元層状物質である鉄セレン(FeSeTe)系に金属原子を挿入して、新しい超伝導体を発見するとともに、高圧で極めて高い超伝導転移を見いだした。以下に研究成果の概要をを箇条書きで記載する。 1)ピセンにLi原子を挿入する実験を、液体アンモニア法により進め、Li5piceneの組成により超伝導体を作製することに成功した。超伝導転移温度は11 Kである。フラクションは1%程度である。Liのインターカレーションで超伝導転移が観測されたのは今回が初めてである。24年度と25年度において遂行した挑戦的萌芽研究において、アンモニア法で金属インターカレーションが可能であることが確認できたので、さらに高い超伝導体積分率を実現する研究を進める必要がある。 2)グラファイトとFeSe1-zTezについてアンモニア法で金属インターカレーションを進めた。その結果、CaやYbがグラファイトに挿入でき超伝導体が実現できることがわかった。さらに、FeSe1-zTezへの金属インターカレーションを行って、新しい超伝導体を作製した。これまでに常圧で31 Kの超伝導体である(NH3)yCsxFeSeが高圧で著しく高い超伝導転移温度を示すことを見いだした。 3)C60に対して電気化学反応でK原子を挿入して超伝導相が生み出されることを見出した。 これらの結果は現在論文作成中である。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Superconducting phases in (NH3)yMxFeSe10zTez (M = Li, Na and Ca)2014
Author(s)
Y. Sakai, L. Zheng, M. Izumi, K. Teranishi, R. Eugchi, H. Goto, T. Onji, S. Araki, T. C. Kobayashi, Y. Kubozono
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Journal Title
Physical Review B
Volume: 89
Pages: 144509/1-6
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Superconductivity in (NH3)yCs0.4FeSe2013
Author(s)
L. Zheng, M. Izumi, Y. Sakai, R. Eguchi, H. Goto, Y. Takabayashi, T. Kambe, T. Onji, S. Araki, T. C. Kobayashi, J. Kim, A. Fujiwara, Y. Kubozono
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Journal Title
Physical Review B
Volume: 88
Pages: 094521/1-5
DOI
Peer Reviewed
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