2012 Fiscal Year Research-status Report
超流動ヘリウムにおける電場・磁場・流れ場の交差相関と人工ゲージ場
Project/Area Number |
24654110
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
白濱 圭也 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70251486)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 物性実験 / 低温物性 / 超流動 / ゲージ場 / ヘリウム |
Research Abstract |
本研究は、超流動ヘリウム(4He)に対して静電場と静磁場を用いて「人工ゲージ場」を生成する方法を提案・実証し、超流動の新しい物理を開拓するものである。電気的に中性な超流動体では、電場・磁場・流れ場に「交差相関」の存在が予想され、例えば静電場Eと静磁場Hを直角に印加すると、E×Hに比例する超流動速度vsが生じうる。これを実験的に検証することを本研究の第一の目標とする。更に、回転容器中の量子渦格子に静磁場を印加すると、量子渦の周囲に発生すると期待される電気分極の観測を試みる。 平成24年度は、本研究の主要装置である回転クライオスタットの立ち上げと、超流動検出用捻れ振り子の製作を行った。クライオスタットは完成し、回転動作と冷却のテストを行っている。また強電場を印加可能な平行平板電極をもつ捻れ振り子の製作が完了し、動作テストを行っている。今後これらの装置により、電場・磁場でつくられる超流動流vs を、超流動4He特有の音波である第二音波のドップラーシフトにより検出することを試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に比べ2ヶ月程度の遅れはあるが、研究自体は計画で想定した通りに順調に進んでおり、少しの遅れは今後の進展で取り戻すことができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は製作した装置の動作テストの後、リング状超流動ヘリウム試料の動径方向に電場、回転軸方向に磁場を印加して、(E × H)でつくられる超流動流vs を、超流動4He特有の音波である第二音波のドップラーシフトにより検出することを試みる。 さらに、円筒容器中超流動ヘリウムを回転させることで生じる量子渦格子の渦軸方向に静磁場を印加したときに発生しうる電気分極の測定を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費として、実験を進めるために必要な液体ヘリウム・液体窒素寒剤の他、金属材料、真空部品、測定用ソフトウェアを購入する。他に学会参加旅費、実験補助謝金、機器修理費用を拠出する。
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Research Products
(3 results)