2013 Fiscal Year Annual Research Report
超流動ヘリウムにおける電場・磁場・流れ場の交差相関と人工ゲージ場
Project/Area Number |
24654110
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
白濱 圭也 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70251486)
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Keywords | 物性実験 / 低温物性 / 超流動 / ゲージ場 / ヘリウム |
Research Abstract |
本研究は、超流動ヘリウム(4He)に対して静電場と静磁場を用いて「人工ゲージ場」を生成する方法を提案・実証し、超流動の新しい物理を開拓するものである。電気的に中性な超流動体では、電場・磁場・流れ場に「交差相関」の存在が予想され、例えば静電場Eと 静磁場Hを直角に印加すると、E×Hに比例する超流動速度vsが生じうる。これを実験的に検証することを本研究の第一の目標とする。更に、回転容器中の量子渦格子に静磁場を印加すると、量子渦の周囲に発生すると期待される電気分極の観測を試みる。 平成25年度は前年度に引き続き、本研究の主要装置である回転クライオスタットの立ち上げ・冷却テストと、超流動検出用捻れ振り子の製作と静止下での実験を行った。クライオスタットは回転及び測定の自動制御が行えるよう改良を進めた。また強電場を印加可能な平行平板電極をもつ捻れ振り子を製作し、静止下での静電場効果の探索を行った。ねじれ振り子の安定度がまだ不十分であるため電場効果の同定には至らなかった。今後これらの装置により、電場・磁場でつくられる超流動流vs を、超流動4He特有の音波である第二音波のドップラーシフトにより検出することを試みる。
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