2013 Fiscal Year Annual Research Report
非接触伝導評価法を用いたナノカーボン物質の伝導メカニズムの解明
Project/Area Number |
24654115
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大島 勇吾 独立行政法人理化学研究所, 加藤分子物性研究室, 専任研究員 (10375107)
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Keywords | ナノチューブ・フラーレン / ナノ材料 / 物性実験 |
Research Abstract |
本研究の目的は、これまで接触抵抗の問題で明らかにできなかった単層カーボンナノチューブをはじめ様々なナノカーボン物質の伝導機構を、マイクロ波を用いた非接触の伝導評価法を用いて、明らかにする事である。 昨年度は単層カーボンナノチューブの高配向薄膜試料において、その伝導機構が薄膜内チューブの含有率に応じて変化する事を確認した。本年度はさらに細かく含有率を変化させ、薄膜内の単層カーボンナノチューブどうしの接触が弱局在効果やVariable Range Hopping伝導に大きく寄与する事を確認し、本質的な伝導機構を議論するには単層カーボンナノチューブ間の接触が少ない含有率の低い配向薄膜試料が必須である事が判った。また、本年度はヘリウム3を用いた極低温実験も開始した。当初は同軸ケーブルからの熱流入や発振器の出力パワーなどにより温度が下がらなかったが、極低温用の同軸ケーブルに変更した事や装置系の改良により興味深い結果が得られ初めており、現在結果を検証中である。 一方で、他のナノカーボン物質であるFew-walled Carbon Nanotubeについても非接触法の測定を行った。低磁場でいったん正の磁気抵抗を示すものの、単層カーボンナノチューブとは打って変わって、0.2T辺りからなだらかな負の磁気抵抗を示している。これらの振舞いについての原因は現在よくわかってないが、今後も非接触伝導の温度依存性の測定や含有率を変えた試料で測定を行っていき、その起源を解明していきたい。
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Research Products
(3 results)