2014 Fiscal Year Annual Research Report
定常状態熱力学の検証を目指した2相共存温度の非平衡度依存性の精密測定
Project/Area Number |
24654117
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
齋藤 一弥 筑波大学, 数理物質系, 教授 (30195979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 泰久 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (80303337)
菱田 真史 筑波大学, 数理物質系, 助教 (70519058)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 熱力学 / 相転移 / 非平衡 |
Outline of Annual Research Achievements |
時間に依存しない非平衡状態である定常状態へ熱力学を現象論的に拡張した「定常状態熱力学」の可能性が議論され,それが成立する系を構成できる可能性も報告されている.熱力学が平衡状態を踏み越えて発展することは人類の自然観の深化にとって極めて大きな影響を持つと期待される.それには理論的洞察だけでなく現実の物質による裏付けが必須であり,実験研究の重要性は明らかである.一方で,定常状態熱力学が実り豊かな現象論として展開できるとすれば,物性が非平衡性に大きく依存する物質があってもよい.そのような典型物質は,定常状態熱力学の成否にかかわらず非平衡状態の科学の今後の展開にとって,特別な重要性をもつ.本研究は,現実の物質に対する精密な実験によってそのような典型物質を探索し特定することを目的としている. 本年は,昨年度までの到達点を踏まえ二つの方式の装置を検討した.当初の計画に依る水晶振動子を用いた装置は,粘性の大きな試料中での発振には成功していたが,精密な温度コントロールが困難であることがわかったため,この方式は断念した.もう一方の,ペルチェ素子を用いて定常熱流を実現する装置を作成した.温度差ではなく定常熱流を維持するための入力電流の定常状態からの偏差を記録する方式となり,ノイズ対策等に手間取ったが,ようやく信号が得られるようになり,液晶性物質で実験を行った.現在までの所,定常状態熱力学を必要とするような結果は得られていない.
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