2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24654123
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷口 年史 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80207183)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 光 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30153018)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | カイラリティ / 超伝導グラス / スピングラス / SQUID |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、銅酸化物超伝導セラミックスで期待される超伝導グレイン間電流により生じる自発的磁束フラックスを検出するためのセンサー(微小コイル)開発、およびSQUID による測定手法の確立、データ解析を含む装置開発を行い、ループ電流(カイラリティ)の "協力現象" を観測することを目的とした。本研究課題で測定対象とするYBCO 系超伝導セラミックスは、粒径が1μm 程度の超伝導体がジョセフソン接合した集合体である。YBCO 超伝導体の波動関数の対称性は d 波であるため、超伝導グレインを結ぶループにはある種のフラストレーションが生じ、ループ電流が超伝導体の転移温度より下で、凍結した状態(カイラルグラス)が出現することが予想されている。当初予定した超伝導薄膜を購入しセンサーを作成する計画は、薄膜価格の高騰、センサーとSQUI素子との結合の困難さから断念した。計画を変更し常伝導導線によるコイル作成、常伝導金属による薄膜作製を試みることとした。まず、過去に行われたYBCO系超伝導体の過去の測定から粒子間結合の値を評価し、その値を用いて数値計算を行い計画変更後の測定系で実測可能かのシミュレーションを行った。その結果、厳しい条件であるが、ある条件下で測定の可能性を示すことが出来た。本研究課題期間では、実際の測定は行えなかったが、引き続き開発を続ける予定である。 また、大きな成果として、物性(磁性)研究の分野では有名なレビュー誌として30年にわたり23巻発刊されている「Handbook of Magnetic Materials (Elsevier) ed. by K.H.J. Buschow」に執筆を依頼され、分担者である川村氏と共著で本研究課題の内容も含んだレビューを執筆した。
|
Research Products
(5 results)