2013 Fiscal Year Annual Research Report
過冷却液体における縦波と横波の伝搬速度のシミュレーションによる観測
Project/Area Number |
24654126
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
村中 正 愛知工業大学, 工学部, 教授 (00267890)
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Keywords | 過冷却液体 / ガラス / 縦波 / 伝搬速度 / 協同運動 / 分子動力学シミュレーション |
Research Abstract |
昨年までの分子動力学シミュレーションやその解析から、ガラスと過冷却液体の2次元における縦波伝搬の速度が12σ/τ位であり、原子の周辺原子を伴う協同運動の伝搬速度が3σ/τ位であることが確認された。同様に、3次元では縦波が7σ/τであるのに対して、協同運動が2σ/τ以下であることが見出された。以前は、全シミュレーション期間における平均値しか求めていなかったのであるが、期間を分割して求めても同様な伝搬速度と温度依存性があり、縦波伝搬速度の誤差が数%以下であることも確認でき、更に、システムの緩和状態に影響しないことも確認できた。 以前は、協同運動の広がりに関心が行き、3次元では平均2乗変位やノンガウシアンパラメータなどのダイナミックスにほとんど影響が無く、協同運動があるのか無いのかさえも議論の対象であったが、協同運動の伝搬速度が狭い距離領域ではあるが、求めることができ、2次元と同様に縦波の1/4程度の伝搬速度だと確認できたことは意義深い。3次元の協同運動がどの程度物理量に影響するかに問題が移った。 一方、横波の伝搬は、最後の最後まで調べたが、どうにも縦波との分離が難しく、もう一工夫が必要だということがわかった。何回か原子を揺らすのも、良い手かとは思うが、そうすると温度の制御が難しく。もし、横波が発生しても、縦波と横波が混在するため、より一層分離が難しくなると考えられる。波の観測手法を向きにより分割する手法をいずれ開発して、将来再度確かめたい。 また、最終年度に国際会議3rd International Conference on Molecular Simulation(ICMS2013)で"The observation of the longitudinal wave velocity in a model supercooled liquid"をポスター発表してきた。
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