2014 Fiscal Year Annual Research Report
GPUを用いた高速プラズマ粒子シミュレーション手法の研究
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24654127
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
齊藤 慎司 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60528165)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | GPGPU / 粒子シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、GPUを用いたプラズマ粒子シミュレーション手法を開発し、将来的に必ず必要となる大規模プラズマ粒子シミュレーション計算の高速化実現が可能かどうかを見定めることを目的としている。初年度にGPUを搭載した計算機を導入し、これを用いてGPUを用いた高速計算手法の開発を開始した。2年目において、基本的な手法を確立し、この手法を用いて実際のプラズマ物理計算への実装を行っている。GPU演算において最も特徴的なことは、GPU(デバイス)側とCPU(ホスト)側がPCI-Expressを介して接続されていることにある。このためGPUに演算を実行させるためには必要なデータを転送する必要があり、この転送時間コストがGPU演算のボトルネックとなっている。このボトルネックをできる限り解消するため、本手法では計算データを複数のブロックに分割し、ブロック単位でデータ転送とGPU内での演算をオーバーラップさせることで転送時間の隠蔽を行っている。この演算手法を用いることで、GPU1枚でCPU1コアの8倍程度の演算高速化を実現し、このGPU計算手法を実装したプラズマ粒子シミュレーションコードを用いて、プラズマ中の波動の一つである、whistler波動の非線形発展について研究成果を挙げた。その成果については、Physics of Plasmasにおいて論文として出版している。最終年度においては、得られた研究結果をさらに発展させ、国内外において研究成果発表を行った。また、現在実装しているものとは別の手法の開発を行っており、より効率の良い高速演算の実現を今後の課題として狙っている。
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Research Products
(4 results)