2012 Fiscal Year Research-status Report
地下深部における地震波モニタリングのためのボアホール型シングルフォース震源の研究
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24654145
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山岡 耕春 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (70183118)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 地震波速度 / 地下モニタリング |
Research Abstract |
平成24年度は,シングルフォース型のボアホール震源について詳細設計のための検討を行い、試作品の作成のための部品調達を行った。シングルフォースである必要性についてはすでに新生段階で検討を行っているので、名古屋大学全学技術センターの協力を得て、落下型震源の基本的落下メカニズムについて検討した。具体的には(1)おもりを持ち上げる機構、(2)おもりを落下させる機構の2点について検討を進めた。(1)については、モータとボールネジあるいはチェーンにより持ち上げる方法,バネの縮みを利用して打ち上げる方法,ソレノイドを用いて電磁的に打ち上げる方法の3通りを検討し、モータを用いて持ち上げる方法がエネルギー効率から見て最適であることが分かった。(2)持ち上げたおもりを落下させる方法については、チェーンを用いる方法とボールネジを用いる方法について機構の検討を行った。その結果,チェーンは枯れたメカニズムで信頼性があり、制御が楽であるものの機構が複雑になることから断念し,機構が比較的単純であるボールネジを用いる方法を採用することにした。重りをリリースする機構として2つのメカニズムを考案し,そのいずれが優れているかは机上の検討では不可能であると判断し,それぞれのメカニズムについて試作品と作ることにして,部品を製作を行った。また性能評価のために必要なセンサーの検討を行った.重りの衝撃力を計測する必要があるが,そのためには、重りの位置を測定か、衝撃力を直接計測する必要がある。そのためレーザ変位計とロードセルの2つの方式を試験することにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度は、試作品を製作して実験を行うこととしていた。そのため、全学技術センターとの会合を4月から開催し定期的に検討会を持ちながら機構の検討を進めてきた。試作品の性能を評価するための計測を行うためのシステムの製作を進めるための検討も同時に進めてきた.その結果、試作品に関する基本的な設計については、モータとボールネジを用いて持ち上げる形式にすることに決定した。おもりをリリースする機構については理論的な検討により2通りの機構があることが分かったものの、その優劣を判別するまでには至っていない。衝撃力を計測するために用いるセンサーについては、例-ザ変位計とロードセルを用いることが適切であることが明らかになった。その結果,申請書段階で基本設計にもとづいた試作のための未確定要素であった検討課題がほぼ解決し,あとは製作をするだけの段階になっている. しかしながら、主に方式の決定までの議論に時間を費やしたこと、また申請時には予期していなかった2種類の試作機を製作する必要性が生じたことにより、実際の試作機の完成にまでは至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、昨年度に引き続き全学技術センターの協力を得て研究開発を行う。平成25年度は研究期間(2年間)の2年目であり、昨年度の基本設計に基づいて第一号試作機を作成する。第一号試験器においては,おもりのリリース機構について2通りの機構を持った試作品それぞれについてテストし、繰り返し性能および耐久性についていずれが優れているかを検討する。また衝撃力計測についてはレーザ変位計とロードセルによる方法を比較する。 この第一号試作機の結果を生かし,第二号試作機を製作する。第2号試作機は,実際のボアホールにおける設置を考慮したサイズとし、岐阜県神岡にある海洋研究開発機構の地下テストサイトにおいて試験運用を行い、実際の振動発生効率を計測する予定である.このテストサイトはノイズレベルが小さい静かな場所であり、地震計も設置されていることから振動発生効率の試験を行うことができる場所として最適である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の費用は,以下の用途に使用する. 1)おもりの位置および衝撃力計測のための計測システムの組立を行う。これは平成25年6月までに終える予定. 2)第二号試作機の製作費用。第二号試作品の製作は平成25年度9月までに終える予定 3)第二号試作機の実験費用(旅費を含む)。実験は名大キャンパスでの実験を終えた後,11月以降に岐阜県神岡にある海洋研究開発機構の地下テストサイトを利用して実施する。
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