2013 Fiscal Year Research-status Report
海底地震発生帯のラドン測定による巨大地震発生予知の可能性
Project/Area Number |
24654147
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
蜷川 清隆 岡山理科大学, 理学部, 教授 (80098590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 新 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40207650)
中川 益生 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70148683)
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Keywords | 地震予知 / 海底 / ラドン |
Research Abstract |
年初は、「γ線パルスの出力時間情報をγ線データロガーに記憶させるよう」γ線データロガーの改良を進めていた。しかし、クリアパルス(株)から,「1.NaI結晶のPMの出力を,最新の回路技術を使って2.0Wから0.9Wに省電力化をおこなう測定回路部分を製作する。2.30分の内5分だけ動作させるような間欠測定をできるようにして,省電力化をおこなう。3.高価なLi電池を止めて,安価なアルカリ電池を用いて予算的にも多数回測定できるようにする。4.電池も0Vまで使い切るとガスが発生し、電池用耐圧の内圧を高める結果となるので、例えば6Vになると測定を終了させるようにする。」深海用低消費電力型γ線記録装置の製作を提案された。 1.に関しては2.0Wから0.9Wに省電力ができ,測定時間が約2.2倍に伸びる。2.に関しては連続測定するよりも長期間の測定が可能になる。3.に関しては,ランニングコストが高いLi電池を用いると今回のプロジェクトだけで測定が終わってしまうが,1回の測定に数万円のランニングコストですむアルカリ電池を採用すると,今後何回も継続した測定が可能となる。4.耐圧容器の爆発する危険を回避することができる。5.今まで使用していた解析ソフトウエアがそのまま利用できる可能性ある。 などの多くのメリットがあり,この深海用低消費電力型γ線記録装置を製作することに方針を大きく変え、1月下旬に完成をみた。 海洋研究開発機構の航海計画を見て、KY-02航海で2月にこの記録装置を用いた予備測定することを推し進めた。動作確認をおこなった後、那覇港で「かいよう」に載せた。しかし、他の調査計画との兼ね合いで、海水中での予備測定はおこなうことができなかった。 現在、平成26年度長期ガンマ線測定計画が認められているので、4月のNT14-07航海で、熊野灘沖湧水域に設置するための準備作業を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの達成度は90%、多方順調と考えられる。残りの10%の誤算は「約2週間のKY-02航海に「深海用低消費電力型γ線記録装置備えたNaI検出器、電池用耐圧容器」を搭載、予備測定することを推し進めたが、他の調査計画との兼ね合いで、海水中での測定をおこなうことができなかった」ことである。
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Strategy for Future Research Activity |
海洋研究開発機構の航海(NT14-07、平成26年4月22日(清水港)~4月30日(門司))において、豊田新が「なつしま」に乗船する予定である。「ハイパードルフィン用NaI」を用いて、熊野沖の外縁隆起帯上における、線量の高い湧水域を捜し、「深海用低消費電力型γ線記録装置を搭載したNaIと電池用耐圧容器」を海底に設置し、海底中のラドン濃度の時間変化測定をおこなう予定である。8月の航海で回収の計画である。 得られたγ線スペクトルデータ(CSV形式)は主に1764.5keV (Bi-214)のピークを用いて解析する予定であるが、従来用いてきた解析ソフトWINDOSEの解析に叶うようにデータをCHN形式に変換するソフトを新しく開発することも考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
方針変更して、高額の深海用低消費電力型γ線記録装置を購入したため、少額残ってしまった。 次年度の100,000円と合わせて旅費、部品等に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)